はじめに
今は忍耐の時期
ふだんだったら、「じゃあいいよ、別れよう」と言ってしまうアサコさんですが、「ただの恋人同士じゃない、結婚したんだった」と思い直します。
「言い方がキツかったのは謝る。言った内容については謝らないけど、と言いました(笑)。だって彼、本当に何をするにも甘いんですから。新居を決めるときも、もうここで決めようというときになって、『いや、明日、もう少し他を見てみよう』と言い出したんです。私、嫌な予感がしたので電話でこっそりその物件を確保しておいてもらいました。結局、翌日も決まらなくて『やっぱり昨日のところがよかった』というので、すぐに電話して、今のところに決めたんです」
そのときもさんざん、決断が遅いと非難したといいます。3月下旬から彼は仕事がシフト制になり、週に2度ほどの出社、アサコさんは在宅でできる仕事ではないので今まで通りに出社と、ふたりの暮らしにも変化がありました。
「通勤時間が減った分、彼の家事負担が増えるのは当然だと思うんです。ところが彼、在宅日にもあまり家事をしてくれない。私なんかこんな時期に残業続き。ついイラッとして、いったん帰ったあとに近所の定食屋で食事をとることもたびたびです」
彼はひとりでいるのが苦手なタイプだそうで、在宅勤務がストレスになっているようです。一方のアサコさんは、自分が在宅勤務だったらどんなによかったかと思っているので、お互いに相手への羨望が渦巻き、そこからまたバトルになることもあります。
「それでも置かれた状況でがんばっていくしかないと私は気持ちを切り替えたんですが、彼は気持ちの切り替えも遅い。仕事が捗らない上に、家事も今まで以上にやれと言われてパニクってるみたいです」
落ち着いた頃は…
結婚式がいつできるかわからないけれど、それまでこの結婚生活が保つのかとアサコさんは考えるようになっているそう。
「婚姻届を出して新居を構えてしまったので、すぐに離婚はできませんけど、この状態が続けば彼への信頼や敬意もなくなるんじゃないかと不安です。ふたりの気持ちがバラバラになったころ、やっと結婚式ができるようになったら皮肉ですよね」
アサコさんはブラックジョークを吐いて笑っていますが、もしかしたらもっと戦々恐々としているのは彼かもしれません。まだまだ先が見えない状況ですが、個人個人の男女関係にも影響を与えているようです。