はじめに

航空会社が破綻した場合は

 
マイルの有効期限については、各航空会社が柔軟な救済措置を講じてくれていますが、航空会社が経営破綻してしまった場合はどうなるのでしょうか。
 
4月21日には、オーストラリアのヴァージン・オーストラリア航空が事実上の経営破綻に追い込まれたというニュースが入ってきました。ヴァージン・オーストラリア航空はカンタス航空に次ぐ、オーストラリア2番手の航空会社で、今年の3月からANAと提携して日本路線にも参入する予定のエアラインでした。新型コロナの影響で需要が減少し、経営破綻する航空会社は今後も続々と出てくると予想されています。
 
経営破綻となると、さすがに貯めたマイルもゼロになってしまうのではないかと心配になりますが、過去のケースでは「セーフ」でした。JALは10年前に経営破綻しましたが、当時貯めたマイルは失効することはありませんでした。ユナイテッド航空やデルタ航空も過去に経営破綻していますが、やはりマイルは失効しませんでした。
 
仮に航空会社が経営破綻しても、政府の支援を受けて事業を継続していたり、他の航空会社と統合されたりした場合は、貯めたマイルは何らかの形で継承されることがほとんどです。過去のケースから考えれば、マイルの心配はしなくて大丈夫そうだといえます。
 
ただ、絶対に大丈夫だとも言い切ることはできません。経営破綻した航空会社が事業を継続せず、完全に消滅してしまうような場合は「アウト」です。2001年に倒産したアンセット・オーストラリア航空のマイルは、何の救済措置もなく、完全に無効になってしまいました。
 
航空会社は各国の重要な交通インフラ企業なので、新型コロナの影響で経営危機に陥っても、大手エアラインは各国政府が救済して事業を継続する可能性が高いと予想できます。ですが、新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、次々に航空会社が経営破綻に追い込まれて政府も支援しきれないという状況になれば、アンセット・オーストラリア航空のような最悪のケースが起きても不思議ではありません。

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