はじめに
子どもを預けて働く保育士たちも対応を余儀なくされている
4月7日の7都道府県を対象とした緊急事態宣言の発令、そして16日には対象地域を全国に拡大するとされ、状況は刻一刻と変わっています。保育園や学童、学校の対応は、その都度、変更や協議を余儀なくされています。
未就学児のわが子を、勤務先とは別の保育園に預けていたり、小学生のわが子を学童に預けたりして働く保育士のなかには、
・勤務先の保育園は休園対応をとっておらず、出勤しなければならない
・自分の子どもの預け先である保育園や学童が、休園や休所措置を取ることとなり、わが子を預けられない
という板挟みになっている事例もあります。
保育士も、保育士である以前に、ひとりの人間です。
家庭を持つ母親であったり父親であったり、妻であったり夫であったり、あるいは孫を持つ祖母であったりします。また単身者も、親やきょうだい、大切な家族のいる、誰かの娘であったり息子であったりします。親や親族に、要介護者や障害者がいて、介護をしながら保育に従事している人もいます。
コロナ禍による失業や収入減、倒産、外出自粛、年度を跨いで長引く休校など、いま私たちの生活基盤は、大きく揺らいでいます。世界中で、あらゆる人々が、先の見えないなか、さまざまな苦境下に置かれています。それぞれ状況は違えども、誰もが苦しい状況にあります。
誰かを非難したくなったり、攻撃的な暴言を吐いたり、ネガティブな感情が渦巻いていたりする人たちも、非常に多くいます。そのような心理状態に陥りやすい状況であり、無理からぬことであるとも感じます。
しかし、あなたのその感情の矛先にいる人も、一生活者であること。決して楽な暮らしなどしておらず、誰もがなんらかの苦境下にあること。苦しみは、その人それぞれの固有のものであって、他者と比較するものなどではないこと。そのことを心に留めておきたいと感じます。