はじめに
承諾書を持参して「学校開放」に参加
臨時休校中、保護者の就労など、家庭で過ごすことの難しい子どもたちへ向けて、平日の日中、学校開放を行っている自治体や公立の小中学校もあります。
また学年やクラスごとに分散し、少人数ずつの登校日を設けたり、玄関先で距離を置いての家庭訪問を実施したりして、休校中の子どもの健康を含めた状況把握に努めています。
しかし4月7日に7都府県を対象とした緊急事態宣言が発令されたこと、4月16日に対象地域が全国に拡大されたことなどを受け、登校日を取りやめる判断した学校があったり、取りやめるべきかと協議をしていたり、刻一刻と変わる新型コロナウィルスの感染拡大の状況と二転三転する方針転換に、都道府県および市区町村といった地方自治体や、各教育委員会、各学校現場は対応に苦慮し続けています。
まず学校開放とは、どのようなものなのでしょうか。実施中の複数の小中学校の教員をはじめとした関係者や教育委員会、保護者などに話を聞きました。
関東地方のある学校では、学校開放の主旨と条件について記された承諾書へ、保護者から署名捺印を受けた上で参加が可能となります。また毎朝、保護者が子どもの健康状態を観察して健康管理票に記入し、子どもが学校へ持参します。
健康管理票は、朝の検温と、咳や鼻水、喉の痛みなどといった症状の有無、症状が花粉症やアレルギー性鼻炎などによるものであれば、その旨を記載します。
チェック項目には、朝食を食べてきたか、朝の排便状況、前日の睡眠は十分かなどをチェックする項目も設けられています。
保護者から記入された健康管理票を、教室の入り口前で、児童・生徒から教員が受けとりチェック。問題がなければ、教室へ入室します。
児童・生徒たちは、マスクをかならず着用した上で、離れた席でそれぞれ自習をします。授業は行われませんが、教員が見守りをします。
児童・生徒たちは、宿題として配布されているプリントやドリルで学習してもよいですし、個人で購入した学習参考書などを用いてもかまいません。
漫画は禁じられていますが、自宅から本を持っていきて読書をしたり、絵を描いたり、小学校低学年や中学年では、折り紙や工作、ぬり絵などをして過ごす子どももいます。
給食の提供は行われず、各家庭から弁当を持参します。個々の席で食べ、食事前の手洗いは、少人数ずつ。ハンカチを忘れている子どもが多くいて、教員が苦慮することもあるそうです。