はじめに

自分にとっての娯楽は飲み会でしたが、今やすっかり「家飲み」になり、あとは本を多く読むようになりました。北方謙三の『三国志』全13巻、知り合いの出版社社長が「オレの人生を変えた本だ」と力説していた船戸与一『残夢の骸 満州国演義』全9巻を読み始めました。前者は中古で4300円、後者は社長がプレゼントしてくれたものです。

北方謙三の方は、これまで吉河英治と横山光輝の作品しか読んでいなかった中、新たな解釈を与えてくれ、船戸与一の方については「人生のあり様・苦労の仕方」的なことを考え直させました。それと同時に、これまでの人生で何が重要だったのかな……ということに思いを馳せるようになりました。以下、5つの消費は重要でした。

【1】本:『商売心得帖』(松下幸之助)、椎名誠、東海林さだおの数々の著書――今の仕事に生きている
【2】旅行:海外に年1回は必ず行くこと――日本が恵まれていることを知れるとともに、海外の天才的な人とも会えた
【3】ゲーム機:ファミコン、スーパーファミコン、PS2、ニンテンドー3DS――反射神経、記憶力などが鍛えられるし楽しい
【4】パソコン:これまでに10台買った――これがなくてはまったくカネが稼げない
【5】靴:いくつもの種類を試した結果、MERRELのビジネスシューズに落ち着いて今はこれの3代目をはいている――快適に歩けることが心身にもたらす健康

後悔している消費

一方、「あれはどうでもいい消費だったな……」と思い返すものもありました。「その後縁が切れた人間に貸したカネ」「複数揃えていたメガネ」「見栄のために慌てて買ってしまったマンション(すぐに手放した)」「学生時代の友人の結婚式」などです。

結婚式自体は否定するものではないのですが、学生時代の友人って多分卒業の段階でもう関係性はほぼ終わっているんですよ。結局社会人になったら仕事を通じた友情の方が深まるし、別の業界へ行ってしまった友人とは話がもう合わなくなります。招く側としても「『学生時代の友人』テーブルがないってのもなんかオレ、昔友達いなかったみたいだなんぁ……」なんて無理矢理4人ぐらい呼んだりするものです。

人間って不思議なもので、たくさんお金を使ったことが分かっている月は明細とか見たくないんですよね。しかし、逆にあまり使わなかった時はその明細を見てニヒヒと笑ったり、お金をATMでおろした時に思いの他残額が多かったりすると嬉しくなる。この2ヶ月、幸いなことにニヒヒ、となったので、コロナ禍が収束したら色々ストレス抱えたであろう若者から「飲み行きましょうよ!」のお誘いをしてもらったら気前よく払おうと思います(どうせ安酒場ですが)。自分の消費行動が“見える化”をされ、本当に重要な消費とそうではない消費が仕分けできたことは今後の長い人生においては有難い時期となったのでした。

この記事の感想を教えてください。