はじめに
新型コロナの後を見据えた準備も少しずつ
給付金や借入による資金調達を行って、当面の資金繰りが確保できた場合でも、その先のことを考えておく必要があるかもしれません。こんな大変な時に、先のことなんて考えられないと思われるかもしれません。けれども、新型コロナウイルス感染症を契機として、さまざまなところで、ライフスタイルや行動様式の変更が余儀なくされています。
新型コロナウイルス感染症が落ち着いて、元通りの状況になることは、望ましいことですが、そうなるとは限りません。デリバリーサービスに力を入れている大手飲食チェーンに顧客を持っていかれる可能性もあります。
●国の生産性革命推進事業の3つの補助金
国が実施する生産性革命推進事業では、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金の3つの補助金を用意しています。ものづくり補助金は、革新的な製品・サービス開発、生産プロセスの改善、小規模事業者持続化補助金は、ホームページやチラシの作成など計画的に行う販路開拓、IT導入補助金は業務効率化や顧客獲得のためのIT導入の資金の一部を補助(原則返還不要)する制度です。
中小企業の生産性革命を応援します! | 中小企業生産性革命推進事業
従来からある制度ですが、新型コロナウイルス感染症対策として、制度内容が拡充されています。特に使い勝手の良い制度は、小規模事業者持続化補助金です。非対面販売のためのホームページの作成・改良、店舗の改装、チラシの作成、広告掲載など、かかった経費の3分の2を補助(新型コロナ対応の上限は100万円、一般は50万円)です。
●東京都の業態転換支援(新型コロナウイルス感染症緊急対策)事業
これは、東京都が飲食店等に向けて実施する事業ですが、新たなサービスとして「テイクアウト」「宅配」「移動販売」を始める事業者に対して、販売促進費、車両代(リース)、器具備品費(WiFi導入費、タブレット端末、梱包・包装資材等)、その他(宅配代行サービスに係る初期登録料、月額使用料、配送手数料等)を助成する制度です。
・助成限度:100万円(助成率5分の4)
・助成対象期間:交付決定から令和3年1月31日(交付決定前で令和2年4月1日以降の経費でも契約書等のエビデンスがあれば助成対象となる)
業態転換支援(新型コロナウイルス感染症緊急対策)事業 | 事業
ひと昔前であれば、デリバリーというと「出前」のイメージで、特別な日、忙しい日に利用するのが一般的でしたが、最近は、デリバリー用のバイクや新しい業態として参集した個人事業主が自転車でデリバリーをしている光景をよく見かけるようになりました。新型コロナウイルス感染症が落ち着き、日常を取り戻したとして、その日常の中に新しいサービスが根付いている可能性もあります。
事業者向けの支援施策は、国・都道府県・市区町村の単位で別個に用意されていますので、お時間のある時にチェックしてみてください。
今は、家計・商売の正面で大きなダメージを受け、大変な思いをされているかと思いますが、時間短縮・休業期間中は、少し先のことを考える時間を貰ったという気持ちで、商売の先のことを見直してみてはいかがでしょうか。新型コロナウイルス感染症に負けず、家計と事業の緊急事態を家族一丸となって乗り越えましょう。
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