はじめに

なぜ2万円台が遠かったのか?

ITバブルの後、なかなか2万円を超えられなかったのはどうしてなのか?

大きな要因のひとつは、2000年4月、日経平均に採用されている銘柄を一気に30ほど入れ替えたことでしょう。225のうちの30、つまり13%の入れ替えが行われ、特に株価の高い銘柄が多く採用されたことで大きな混乱となったのです。

つまり、2000年4月から日経平均はまったく別の指数になったといっても過言ではありません。そして、そのときに付けた高値2万0,833.21円が、一昨年6月の2万0,952.71、8月の高値2万0,946.93円とほぼ同水準となっているのです。

米国のダウ平均株価をはじめ、各国の株価指数が史上最高値を更新しているなかで日経平均だけが大きく出遅れているとされていますが、この2000年4月や2015年6月、8月が実質的に史上最高値水準とすれば、現在の株価もほぼ史上最高値水準に近いところにいると考えてもいいと思います。

ですから、6月に入って「2万円を超えた」というのは、非常に大きな意味があることと思ってよいでしょう。そして、さらに上値を試すということであれば、日本企業の株価も実質的には最高値更新と見ることができます。

もちろん、かつてのバブル時の半分までも株価が戻っていない株も多いですが、「株式市場全体」という意味では「高値圏にある」と言えるでしょう。

株式市場の雰囲気を知ろう

やはり「株価が高い」というときには日経平均が高くないと、そういった雰囲気が出ません。また実際に景気がよくなり株が買われる際にも、日経平均に採用されている株が買われることも多いです。

「日経平均は価格の高い一部の銘柄の影響が大きく、日経平均よりも東証株価指数(TOPIX)の方が実体を表している」と言われることもありますが、やはり株式相場全体との連動性も高いため、株価を見る際には「日経平均株価」を中心に見るとよいと思います。

そして、今の株式市場は全体としてある程度買われているということですが、とくにこれから投資を始めようと思っているような初心者の方は、“買われ過ぎているものもある”ということを意識してください。

日経平均が高値圏にあるなかで、業績が好調と言われながら蚊帳の外に置かれているような、いわゆる「出遅れ銘柄」に注目してみてはいかがでしょうか。

本記事は投資判断の参考としての一般的な情報提供を目的としたものであり、勧誘を目的としたものではありません

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