はじめに

「確認」が大切

前回のコラムでも述べたように、株価の動きを想像する、予測することが大切なのですが、予測が必ずしも当たるものでもないですし、想像通りにうまくいくというわけにはいきません。そこで、予測すると同時にその予測を確認することももっと大切なことなのです。先の例に示したように、どこまで下がるかわからないものをもういいだろう、と憶測(予測ではありません)して買うと不安になって慌てて売って失敗するのですが、本来であれば「底値だ」と確信して買ったのであれば、その「底値である」ということが確認できているうちは不安にならず株を持ち続ければいいということなのです。

いずれにしても、底値であることが確認されれば買えばいいのですし、上昇ということが確認できるのであれば、多少高いところを買っても慌てて売ることもないのです。逆に確認を怠ると不安ばかりが先走って、あたふたとした投資となってしまうということなのです。

また、今回のような上昇が続いている相場の後は、3月の底値を付けた直後のように急騰した後、少し下がったところで買っておけば大きく利益を出すことができました。結果的に絶好の買い場となったのですが、次があるという確信は持てないはずです。ただ、大きくじりじりと上昇する相場であれば、「買い損なった」という意識が強く、ちょっとでも下がったところで買おうと思うものです。

ここで一番気を付けなければならないのは、4月初めの「ちょっと下がったところ」という株価の水準と現時点のような大きく上昇した後の「ちょっと下がったところ」は全く違うものだということです。4月初めの「ちょっと下がったところ」は2月から3月にかけて大きく下落した後、反発した後で「ちょっと下がった」のですが、現在の水準は4月初めから、特に5月になってから大きく上昇したところで「ちょっと下がる」ということなのです。

つまり、株価の水準が全く違うわけですし、「ちょっと下がる」時の市場参加者の損益や気持ちも全く違うものなのです。「ちょっと下がった」という事象だけで判断することになり、今度は同じことをしても失敗となる可能性もあるということです。ですから、ここからは「ちょっと下がった」だけで投資をするのではなく、「下落の始まりではなかった」ということを確認してから投資をするということが失敗せずに成功する秘訣なのです。

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