はじめに
ほかにも被害者がいた
今回の逮捕容疑は、被害金5,000万円のうち、500万円詐取の容疑です。おそらく、警察としては詐欺として立件しやすいところに絞って捜査をした結果だと思われます。しかしながら、次なるハードルが待っています。それは詐欺事件で逮捕までこぎつけながら、結果、不起訴となるケースも多くあるからです。
そうしたことにならないように、男性は被害者の会を作ろうとしています。実は、O氏の逮捕報道がきっかけで、自分もこの人物から被害を受けたという人たちが、続々男性のもとに集まっており、その数は10人を超えているといいます。
ある被害者は、18年に友人を介してO氏と知り合い、自動車購入の話を持ち掛けられて70万を支払いましたが、車は納入されませんでした。また別の被害者は、同年に同じように車代に70万円を払いながらも納車されなかったばかりか、海外への中古車の輸出事業を持ち掛けられて、10万円ほどを6回渡しています。はじめは少し利息がついて戻ってきていたそうが、3回目以降からは返ってこなかったといいます。この他にも、車の輸出事業を持ち掛けられて、1800万をO氏に渡しましたが、戻ってきたお金は20万円が数回だけだったという人もいます。
この人物にお金を騙し取られたという声は続々と上がり始め、この件を通じて被害者はまとまり、O氏への刑罰を強く望み、被害者らは意見陳述も出したそうです。その甲斐あってのことでしょう。先日、無事に起訴になったとの一報が入ってきました。
知人や友人の紹介から、ちょっとした儲け話を囁きかけられて騙される。これは誰の身にも起こりうることではないでしょうか。民事裁判を起こしても、お金は払われることなく、裁判費用ばかりがかさむ。その現実を前に、詐欺被害にあって泣き寝入りしてしまう人は多いかと思います。
しかし詐欺に手を染める者の多くは、犯行を繰り返します。ゆえに悪を行う者を世に跋扈させないという強い思いで、被害者が諦めず声を上げ続けることがいかに大事であるかを、この事例は教えてくれているように思います。
今後も、状況に変化がありしだい、レポートしていきます。