はじめに

最低限知っておきたい住民税の基本

自分の住民税をひととおりチェックしたら、住民税の基本について確認しておきましょう。市町村に納める税(市町村民税)と都道府県(都道府県民税)に納める税のことを住民税と合わせて呼んでいます。国に対して納める所得税と税額計算の方法の考え方はだいたい同じです。しかし、違う点もいくつかあります。

(1)住民税の税率は10%
所得税は、所得が増えると税率も上がっていきますよね。これに対して、住民税は所得の多い少ないにかかわらず、「所得割」という所得に応じて税額が決まる部分に対する税率は、都道府県に民税と市町村民税あわせて10%です。内訳は、市町村民税が6%、道府県民税が4%(指定都市は市町村民税が8%、道府県民税が2%)。また、税金を負担する能力のある人すべてが納める「均等割」の部分もあります。

図5 住民税の内訳

(2)住民税の納付方法
パート・アルバイトも含めた会社員など給与所得者の場合、原則として給与から天引きされ会社経由で納付する「特別徴収」です。これに対して、個人事業主などは、納税義務者本人が4回(6月・8月・10月・翌年1月の月末まで)に分けて直接納付する「普通徴収」です。6月頃に納税通知書が納税義務者に郵便で送られてきます。

満65歳以上の公的年金受給者も、原則として年金からの特別徴収になります。年6回、偶数月に年金を受給する際に、住民税が天引きされています 。

住民税の納付が困難なときには

住民税の納付額は、前年の所得をもとに計算されます。つまり2020年に納める住民税は、2019年の収入状況で決まっています。ところが、2020年に入り経済的に厳しい状況になってしまい、納税額を通知されたけれど期限までに納付できそうもないという方もおられるでしょう。

住民税の納付が困難な場合には猶予制度 、新型コロナウイルスの影響により納税が困難な方への特例もあります ので、早めに自治体に相談しましょう。

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