はじめに
いざ結婚が目前になると
これまで、結婚を考えた人は片手の数ほどいるそうです。
「マッチングアプリで出会った年収1000万円の人がいたんです。お金なんてそんなになくても、と思っていたけど、やはりあるに越したことはない。会ってみたら、彼が私を気に入ってくれて。結婚したら仕事はどうするつもりかと聞かれて、私の仕事だから自分で決めますが、自分の食い扶持くらいは自分で稼ぎますと言ったら、とっても好感度が高かった(笑)。お金目当ての女性が近づいてくるケースが多くて警戒心ばかり強くなってと笑っていました。その方とは何度か会ったんですが、あるとき、会社帰りに食事をしたんです。雨が降ってきたので今日は解散しましょうということになった。すると彼、『駅はすぐそこだから』と言って、自分だけタクシーに乗って走り去ったんですよ。休日にデートしたときは私の家の近くまで自分の車で迎えに来てくれて送ってもくれたのに、タクシーのときは自分だけ乗って行っちゃうんだとびっくり。あまりにセコくないですか」
次はいい人にしぼってみたものの…
お金がある人はそういうところでケチるのかとがっかりして、次は性格重視でいくことにしたといいます。すると、あまりにもいい人な上、おっとりしすぎて、マリサさんがイライラしてばかり。
「すごく失礼な言い方だけど、そういうとき心の中で『そんなに要領が悪いから、たいして稼げないんじゃないの?』と思ってしまうんです。そんなふうに感じる自分を嫌悪することもありました」
それでも、もう少し会ったら彼を理解できるかもしれないと思って何度か会いました。彼からはプロポーズもされたのですが、いい人であるだけでは物足りなさが大きくて結婚には踏み切れませんでした。
「悪いところを見つけようと思ったら見つかるもの。自分がここだけは譲れないものをはっきりさせなさいと相談所のカウンセラーにも言われたんですが、それがわからなくなってしまった。お金も大事、性格も大事、だけどどちらかが突出していればいいというものでもない……」
二進も三進もいかなくなってしまったマリナさんは、ここ半年ほど婚活をやめています。彼女が婚活していることにも気づかず、つきあいが続いている彼に会うと、ほっとする気持ちが半分、「コイツのせいでイライラしてしまうのかも」と思うのが半分。いっそ別れようかと思ったこともあるそうですが、手放すには惜しいと思い直しました。
「結局、私自身が自分の人生をどうしたいかが見えてないということなんですよね。でも巷にはよくあるでしょ、これが運命の人だと思ったとか、何度も偶然に出会って意識するようになったとか。結婚するからには、そういう赤い糸的なドラマがないといけないのかなあと思ったりもするんですよね」
縁はどこに転がっているかわからないもの。とはいっても結婚には年齢制限はありませんが、出産にはどうしても年齢が関係してきてしまいます。それを考えると、ますますどうしたらいいかわからなくなるとマリナさんは言います。
エイヤッと結婚してしまってうまくいく人もいれば、長年つきあって熟考したあげく結婚したのにすぐに別れてしまう人もいます。結婚に関しては何が正しくて何が間違っているのか誰にもわからないのかもしれません。