はじめに
いち早く底打ち感の「新型コロナ関連・先行き判断DI」
景気に敏感な立場にいる人々の意見を聞く「景気ウォッチャー調査」は、この4月調査で各判断DIが統計開始以来の最低を記録しました。現状判断DIは7.9でした。その後、5月調査15.5、6月調査で38.8と持ち直しました。
また、2~3ヵ月先の景気の先行きに関する先行き判断DIは4月調査の16.6から6月調査では44.0まで戻しました。ただし、どちらも、全員が「変わらない」と答えた場合の50を下回っています。
なお、4月調査では飲食関連の現状判断DIで、▲3.1と初のマイナスという前代未聞の事態が生じました。全員が「悪い」と答えると0.0で、原数値ではこれが最低の水準です。
季節調整値は原数値から季節指数を引いて算出します。通常年では、4月は季節的に高めの数字が出やすい月です。しかし、今年は原数値が1.2と極めて低く、季節指数の4.3を引いたところ季節調整値がマイナスになってしまいました。しかし、その後は5月調査8.6、6月調査で39.6と持ち直してきました。
新型コロナウイルスに関するコメントをした景気ウォッチャーの回答から、新型コロナウイルス関連・現状判断DI、先行き判断DIを独自に作成しました。新型コロナウイルス関連・現状判断DIは3月の12.0から、4月は8.7と1ケタに下落しましたが、5月13.1に、6月には35.0に戻りました。
一方、新型コロナウイルス関連・先行き判断DIは、いち早く底打ち感が出ていました。3月の16.3を底に6月は43.6へ上昇しています。なお、6月の新型コロナウイルスのコメント数は現状553名、先行き702名と依然多いものの、最多だった3月の現状998名、先行き1,086名に比べれば、どちらも減少しています。