はじめに

複雑かつ高額な渡航前検査

しかし、その2つがそろっても気軽に渡航できるようになるわけではありません。外国人入国者の受け入れを再開している国のほとんどが、出発前にPCR検査を受けて陰性の証明書を提出することを要求しています。

観光目的の入国を認めているドバイですが、出発前96時間以内にPCR検査を受けて陰性であることの証明書の提示が入国の条件になっています。今後、入国可能になる国も似たような条件を掲げてくると予想されます。

海外渡航を控えている人のために、PCR検査と英文での証明書発行を受け付けている医療機関はありますが、自費診療となるため、検査と書類発行で4万円前後からとかなり高額です。

国ごとに定められた方法で検査を受けなければいけませんし、要求される証明書の体裁も国ごとに異なります。それらを自分自身で確認し、対応できる医療機関を見つけて予約を入れる作業が必要になります。

しかも、検査を受けるタイミングは出発の直前でなければ意味がありません。自費診療のPCR検査をしている医療機関のほとんどは事前予約制なので、入念に計画を立てることが必要です。

渡航前の検査を受けるだけでも、それなりの金額がかかる上に、予約から検査までのフローもかなり複雑です。単なる観光旅行のためにここまで準備をする人はなかなかいないのではないでしょうか。

“不要不急”という基準は人によって違ってくると思いますが、手続きの大変さを考えると海外渡航の“解禁”直後に海外へ行くのはおのずとビジネス目的の人や現地に家族がいる人に絞られてきそうです。観光目的の人が気軽に海外へ行くことができるのはもう少し先になりそうです。出発前の検査が必要なくなったときが、本当の意味での“解禁”のタイミングと呼べるのではないでしょうか。

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