はじめに

成果を出すオンライン営業のポイント

昨今、ZoomやMicrosoft teamsなど様々なビデオ会議用のアプリケーションが進化し利便性が高まっています。筆者もコンサルタントとして、1日の中で、名古屋、札幌、東京と場所を変えてアポイントを入れることが可能になりました。

しかしながら、対面で行っていた営業活動をオンラインで行ってみると「熱意が伝わらない」「反応がわからない」「雑談ができない」などの意見がよく挙がります。そこで、このようなオンラインのデメリットをカバーする方法を5つのステップに分けて説明していきましょう。

(1) 商談時のアイスブレーク
まず、オンラインの場合は全員に対して話しかけることになり、雑談をする雰囲気が作りづらいものです。この様な時には、WEB会議室に早めに入っておき、全員が揃うまでの間に雑談をします。

また、初めての参加者などがいる場合は自己紹介を行い、顧客のサービスに対する興味や最近話題になっていることを話すなど、アジェンダに入るまえに、お互いに声を出しやすい雰囲気を作ることが有効です。顧客側も自由に意見が出せる場のほうが満足度は高まります。

(2) プレゼンテーション
会議室で複数名が一つのPCで参加している場合やビデオがオフになっている場合には、反応を読み取ることができません。そこで、アジェンダをできる限り事前にお伝えし、進め方を確認します。

プレゼン中はどのページのどの部分を説明しているのかを指し示しながら、なるべく記載どおりに説明をします。また、プレゼンテーションを短く区切り、都度、理解度や疑問点の確認を行っていきましょう。これにより認識の齟齬を防ぐことが可能です。また、顧客側も疑問に思ったタイミングで解消しながら進められるほうが安心感を持つことができます。

(3) ディスカッション
複数名で議論をする場合、話をする人としない人が対面以上にはっきりと出てしまいます。そこで、発言してほしい人を指名して意見を頂きます。最初は意見を言いづらいため、「感想(質問)でも結構ですが〇〇さんいかがでしょうか?」というように発言に対する責任のハードルを下げてから促します。

もし、ある程度顧客側の参加者の人となりを分かっている場合には、いつも一番発言をしてくれる人を最初に指名して発言しやすい雰囲気を作ることもおすすめです。

(4) 次アクションの確認
オンラインのアポイントは終了後に参加者がバラバラになり、その後のアクションが不明確なままになっていることがあります。そこで、商談の最後に議論したことをまとめ、お互いのアクションについて確認をします。

決定事項などがある場合は議事録を作成して共有しながら進めていくと丁寧な印象を持たれます。または御礼メールとともに決定事項を列挙しておくなどリマインドを行うことでアクションの抜け漏れを防ぎます。顧客側も在宅勤務などの場合、メモがあると社内の認識合わせがしやすくなるので有用です。

(5) 余談(エレベータートーク)
帰り際に別件の相談や情報交換などを行うことをエレベータートークと言いますが、オンライン会議では終了後にそれぞれが退席してしまうため、会話を続けることが難しくなります。そこで、アポイントが終了した後、窓口となる担当者など一番関係が近い方に電話して、進め方に問題はなかったか、他の参加者の反応はどうだったかなど振り返りを行います。

このフォローを繰り返し行うとアポイントの場では分からなかった顧客側の反応や課題意識などを把握するとともに、顧客との関係構築にも有用です。

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組織として営業活動のナレッジを集める

このように、オンライン商談も工夫によって、デメリットをカバーして成果を上げることができます。また、オンライン対応は顧客側にも会議室やメンバーのスケジュール調整を省けるというメリットがあり、経済合理性を考えると双方にとって効率的なのです。

もちろん、どんなにオンライン環境が整備されても、対面営業が必要な場面はあります。オンラインを上手く活用することによって、ここぞという時に対面でのアポイントの価値を演出することが今後の営業の生産性を高めるためにも必要ではないでしょうか。

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