はじめに
清掃会社が始めたEC事業がうまくいっているワケ
元清掃員たちがリネン庫でECの卸業を始め、既に7月で単月の黒字化に成功。現在は、卸業で得た知見を元に大手企業へのタイアップ提案やメーカー化の仕込みを行なっているとのことです。
「清掃員」と聞くと、マニュアルチェックポイントに沿って、適した清掃道具を使い、効率的に行う清掃能力の高さがすべて、と思われるかもしれません。しかし、民泊のような無人の施設の清掃となると、清掃能力以外にも「問題解決能力」が求められます。
民泊では、無人かつ文化の全く異なる方が団体で宿泊しているケースが多いため、通常のホテルでは考えられないようなことが起こります。その場合、現地で唯一、直接的にゲストとコミュニケーションをする清掃員が対応することがあります。
例えば、当日のチェックインアウトがあるのに、ベッドや水回りに故障が見つかった場合、ダブルブッキング時に空室が1室しかない場合など。自ら周辺ホテルを探し、客の了解を得て予約、現地までお連れするというように、ゲストの意向を汲み取りながら対応をして頂いたりしました。
この会社の従業員は、日常的に、問題の発見や解決、改善のため仕組みを考えることを行っていました。だからこそ、柔軟に新事業に取り組み、成功したのだと思います。普段、清掃や改善の際に利用しているITツールや仕事に対する考え方さえあれば、今はスキルを簡単にマネタイズできる沢山のプラットホームが身近にあります。
このような清掃会社のオフィスが…
すっかりオフィスに変わった
ハコに依存しない
赤字になり、収益を産む母体だった「ハコ」に依存していると、住居利用や時間貸しをアイデアとして考えたくなります。一方で、収益を産む母体が「ヒト」の会社はいくらでも動けるので、特に観光分野にこだわる必要もないのです。
収益を産むのも、赤字になるのもヒトです。ハコが動かせないならヒトのポテンシャルを活かし、ヒトを動かせないならハコの再定義をする。なんとかコロナ禍を乗り越えていきたいと思います。