はじめに

「なでしこ」選出企業への投資

個別株投資では、ESG優良企業に選出された企業への投資が一手となるでしょう。例えば、女性活躍の推進に優れた企業として、2012年から経済産業省と東京証券取引所が毎年発表している「なでしこ銘柄」があげられます。

女性を含めた多様な人材の確保はイノベーションに繋がるほか、男性も含めた働き方改革を推進することで生産性が向上すると期待されています。こうした考えから、多くのESG投資を行う機関投資家は、女性活用指標に注目し、投資判断に組み入れています。

「なでしこ銘柄」は、売上高営業利益率や配当利回りが市場平均値より高い傾向が見られています(20年3月時点)。また、2019年度の「なでしこ銘柄」株価指数はTOPIXを上回って推移しています。

かつてのエコファンドやSRI(社会的責任投資)は社会貢献に重点が置かれました。一方、ESG投資は、社会貢献を念頭に置きつつも、大手資金運用者の受託者責任という投資リターンに責任を持つスタンスが意識されていますので、一般にもなじみやすい投資手法といえるでしょう。

<文:シニアストラテジスト 山田雪乃>

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