はじめに

「話す」「書く」「運動」不安を消す3つの行動

To Do1 3つの行動をする

「行動する」というと、少々、ハードルが高く感じられるでしょうが、ここでは「確実に行動できる対処法(ToDo)」を提案していきます。

たとえば、毎日昼11 時まで寝ている患者さんに「早起きしましょう」と言うと、「無理です」と秒殺されます。しかし、「今より15 分だけ早起きしませんか?」と、提案すると、「できるかも」と言います。

すべての「行動」は細分化できます。行動のハードルを下げると、どこかで「できる」部分があるはずです。人間の悩みのほとんどは、対人関係、コミュニケーションの悩み、社会生活の悩みです。つまり、他者に対する悩みを家にこもって悩んでも、解決することは不可能です。

人間の悩みは、行動しながら、解決していくもの。だから、「インプットの世界」の住人で、情報だけ集めて悶もん々もんとしていても、絶対に何も変わりません。まずは、動くこと、行動することです。大きく次の3 つをすぐに実行するようにしましょう。

(1)話す
「相談する」「カウンセリング」というのも「話す」ことです。「バカヤロー!」と大声で叫べば、スカッとしてストレス解消になります。友達とのおしゃべりでも、ストレス発散できます。雑談によって人間関係を深めることができます。適切な「質問」で速やかに問題解決に導かれることもあります。

(2)書く
「書く」というのは、さらに強烈なアウトプットです。自分の悩みを書き出すだけで、ストレスが吐き出されます。また頭の中が整理され、悩みが明確化します。毎日、日記をつけることで、自己洞察力が鍛えられます。
書くことで脳内が整理され、自己洞察が深まり、間違った考え方や不適切な感情に気づき、修正する手がかりを得ます。

(3)体を動かす
もし、どうしても強い不安があるのなら、今すぐ外に出て、100 メートルを全力疾走してください。かなりスッキリするはずです。
不安というのは、「何かをしなさい!」というエネルギーなので、全力で何かに取り組めば軽減、解消するのです。その最も良い例が、「運動」です。セロトニンが活性化することにより、ノルアドレナリンを正常化したり、脳内を鎮静し、リラックスさせ、ネガティブな感情を消し去ってくれます。

以上、不安があるならば、まず「行動」することです。

精神科医が教える ストレスフリー超大全――人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリスト 樺沢 紫苑 著

精神科医が教える ストレスフリー超大全――人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリスト

この記事の感想を教えてください。