はじめに
そろそろ冬のボーナス商戦が近づいてきましたが、この時期も含め、各メーカーが発売するのが、普段設定の無い装備等を組み合わせ買い得感を向上させた「特別仕様車」です。その中で過去、際立って人気が高かったのがスズキ・ハスラー(旧型)に設定されていたのが「J STYLE(スタイル)」です。そして満を持して新型にもこの特別仕様車が設定されました。そのお買い得度を分析します。
旧型は過去3回発売され、どれもヒット
今回紹介する「J STYLE」以外にもハスラーには特別仕様車が多く設定されていました。元々販売も好調だったこともあるので、さらなる台数増を狙った部分はありますが、このシリーズは何と3回も発売されています。
1回目が2014年12月、2回目は2015年12月、2回目ゆえにこのモデルは「J STYLEⅡ(ツー)」の名称を、そして3回目は2017年12月に「J STYLEⅢ」として発売しています。3モデル全てが12月の発売であることからも前述したように年末年始も含めたボーナス商戦期に向けたモデルであることがわかります。
なぜ、こんなに人気なのか?
この特別仕様車の細かい販売台数は公表されていませんが、中古車の市場からある程度の分析が可能です。現在国内に流通している旧型ハスラーの中古車は約3500台強、そのうち「J STYLE」シリーズの流通量は600台弱と約17%がこの特別仕様車になります。もちろんこの他にも多くの所有ユーザーがいますので、単純な比較はできませんが、特別仕様車でありながら中古車市場で存在感を示せているのは凄いことなのです。
この「J STYLE」の人気の理由は冒頭に述べたように装備を充実させながら価格を抑えた点。つまりコストパフォーマンスが高かったからです。また標準仕様では選ぶことができなかった装備や専用のボディカラーなど、顧客にとって「差別化」ができる。言い換えれば「欲しい」と思わせる心理を上手く突いているのです。
余談ですが、この辺が上手いのはスズキやSUBARU、最近ではマツダも魅力が増しています。
「そんなものたいして変わらないんじゃないか」と思われる読者もいるかもしれませんが、2~3程度の装備に専用ステッカー(バッジではなくステッカーです)を付けて特別仕様車と声高に売っているメーカーもある位です。その点ではスズキ、特に「J STYLE」に関しては本当に魅力的。では2019年12月に発売開始した新型ハスラーにおける「J STYLE」はどうなのでしょうか。
旧型でも大人気だった「J STYLE」。写真は2017年12月発売の「J STYLEⅢ」です