はじめに

宮古地区の取材を終えて、雪道をたっぷり走ったのですが相変わらずスバルのAWD(4WD)の制御レベルの高さには感心します。左右の路面状況がネコの目のように変化するのですが、それでも直進安定性の高さを、そして大きく姿勢を崩すことのない制動性能は雪に強いスバルを改めて痛感します。

さらなる雪道性能を試すべく、磐越自動車道の西会津インターから新潟方面に突入です。前日まで寒波の襲来で、かなりの積雪があると聞きます。ここからは勝手知ったる地元。ところが最近の新潟の除雪態勢は凄いものがあり、周辺は2メートから3メートルを超える雪があっても幹線道路はもちろん、生活道路のほとんどがあっと言う間に除雪されるそうです(地元の友人談)。すでに午後という時間もあったのですが、ラッセルにも近いような路面状況はなかなか見当たりません。一方で消雪パイプのまき散らす水と半分溶けかけたシャーベット状の雪の路面がそこここにあります。

これが夕方になると凍結して、つるつるとグズグズと入り交じったような実に複雑な状況になるのです。ここではもちろん、AWDの制御の高さがキモとなります。轍に取られることは当然あるのですが、走行安定性に不安を感じるようなことはあまりありません。基本性能の高さに加えて、AWDとしての信頼性の高さがあるから、地元の友人達の多くはスバルユーザーが多いのだろうと思います。

磐越自動車道の安田インターで一般道におり、国道290号線をひたすら雪道を求めて山間部を入広瀬まで走ります。すでに暗くなりました。途中で何カ所かの雪道はありましたが、本当に快適な状態でドライブできました。せっかくのふるさとでしたが時期も時期なので実家にも友人宅にも寄らず、魚沼の「塩沢宿」に到着したときはすでに日が傾いていました。雪道と一言で言っても色々な表情をもっていて、クルマの適応能力の高さが問われることが、今回のルートでもよく分かります。そうした多くの場面で安定した走行を見せたことに、感心するばかりです。

そんな感想を抱いたところで夕食は新潟の「へぎそば」です。布海苔をつなぎに使った独特の喉ごしと適度なコシを楽しめる麺は、やはり地元で食べるに限ります。食事を終えたところで、そのまま関越で東京へ、といいたかったのですが、食事を済ませたところで、猛烈に温泉に入りたくなりました。しかし、ここでも、やはり我慢です。越後湯沢ICから関越道に入りました。10kmもの長さの関越トンネルの途中で、今度は「目を覚ましてください」の警報が鳴りました。トンネルを抜けた「谷川PA」でクルマを止め、一休みです。そこで仮眠で済ませれば良かったのですが、寝袋に入ってしまい、またしても爆睡です。

目覚めたのが翌朝4時。もうここまで来たらしっかりと寝ます。実はこの日、山梨県の山中湖で別件の仕事です。もはや東京に戻っている時間はありませんので関越から圏央道、そして中央道で山中湖と走ることに。富士山の麓、山中湖のロケ現場に到着したときはすでに1,166km走りきっていたのです。平均燃費は13.5km。これだけの高機能と、なんとも快適なグランドツーリング性能があって412万5,000円。その価格に納得しながら、さて山梨の「ほうとう」でも食べて帰りますか。

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