はじめに
過去の金利上昇局面は株の7戦全勝
確かに株価理論上は計算式の分母に当たる金利上昇はマイナス要因となりますが、分子の企業業績(利益)などの改善によってカバーされるケースが大半です。実際に2003年以降の過去7回の金利上昇局面(1%以上の上昇場面)においては、日米の株価指数はいずれも上昇で終えています。
今回のように急ピッチな金利上昇を嫌気して短期波乱を強いられた場面はありましたが、上昇速度の落ち着きとともに株価が出直るケースが多いこともわかります。
今後も景気回復に沿った金利上昇は十分に想定されますが、一方で政策当局による過度な金利抑制策も想定され、金利上昇を伴った株高トレンドは崩れないと判断しています。
とくに日本株に見直しの動き
また、こうした金利上昇場面においては「世界の景気敏感株」とされる日本株が優位となりやすいこともよく知られています。
米金利の上昇がドル高・円安トレンドの支えとなりやすいことも日本株の追い風と言えますが、現実にこの半年強の金利上昇局面(昨年8月以降直近迄)においては、主要国で日本がトップ級のパフォーマンスを示しています。
アベノミクス以降の企業の収益基盤強化や遅れていた日本のデジタル化進展などを評価して、海外勢による日本株見直しの動きも見え隠れしており、日本優位の展開は意外に長続きする可能性もありそうです。