はじめに

世界経済フォーラムが3月に「Global Gender Gap Report 2021」で、各国における男女格差を測るジェンダーギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)を発表しました。この指数は、経済、教育、政治、健康の4つの分野のデータから作成され、0が完全不平等、1が完全平等を示しています。

日本の総合スコアは0.656で156カ国中120位(前回は153カ国中121位)でした。分野ごとの順位を見ると、経済が117位、教育が92位、健康が65位、政治が147位で、特に経済と政治の分野でスコアの低さが目立ち、足を引っ張ったようです。

トップはアイスランドで10年以上トップを維持、上位には北欧の国が並びます。残念ながら日本はG7では断トツの最下位、アメリカは30位、ドイツは11位、同じアジアの国では中国が107位で韓国が102位です。

この指数が各国の男女間格差を全て正確に反映しているとは限りませんが、日本の順位は気になるところです。特に重く受け止めなければならいのは、この10年間、日本のスコアは0.65-0.67でほぼ横ばいで推移する一方、他の国はスコアを向上させ、結果として日本はズルズルと順位を下げている点です。

日本はこの10年間、男女間格差は一向に改善されていない、何もやってないと言われても仕方がないような状況なのです。


男女間格差の改善にまずは子育て支援を

そもそも、ジェンダー(gender)とは、生物学的な性別(sex)に対して、社会的・文化的な意味合いから見た男女の性区別を表す言葉です。ギャップの解消に向けて、基本的には社会の仕組みや文化的な土壌を変えることが必要ですが、それは短期間でできるものではなく、抜本的かつ持続的な取り組みが求められます。

2016年には、当時の安倍内閣が成長戦略の柱として「女性活躍推進法」を施行しました。女性が働きやすい環境づくりを企業に求め、「採用や昇進についての平等」「仕事と家庭が両立できる環境づくり」「仕事と家庭の両立について意思決定できる」を基本原則として定めました。しかし、具体的な取り組みが進んでいるとは言えず、その効果は決して顕著には表れていないようです。

取り組まなければならない課題は山積していますが、中でも対策が急務なことの一つが「子育て支援」ではないでしょうか。子育ては女性だけが担うものではありません。しかし現実問題として、子育てと仕事の両立に悩み、それを理由として仕事を諦めている女性が、日本ではまだ相当に多いのです。

厚生労働省が2020年12月に公表した「新子育て安心プラン」では、2025年度の政府目標である女性(25~44歳)の就業率82%に対応して、2021年度から2024年度までの4年間で約14万人の保育の受け皿を整備するとしています。