生活

夏の疲れを吹き飛ばす、どこでも1分“マインドフルネス”

「今、ここ」への意識が健康への近道

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毎年、夏の終わりが近づくと、どっと疲れが出る人はいませんか?

日々の体調管理と共に気をつけたいのがメンタル面の管理。食事・睡眠の改善とともに、今、話題のマインドフルネスを日頃の生活で意識して、夏疲れ対策に取り組んでみてはいかがでしょうか。


Googleも注目する「マインドフルネス」

米Google社が2007年から「マインドフルネス瞑想」を取り入れたリーダシップ研修を取り入れたことから、世界中で注目されるようになったマインドフルネス。

マインドフルネスというと“瞑想”のイメージが強いですが、『ストレス・疲れがみるみる消える! 1分間 どこでもマインドフルネス』を著書に持つ、精神科医・産業医の奥田弘美先生によると、もともとは「今、ここに対する適切な気づき」のことなのだそう。

「今、という瞬間に起こっていることに注意を向け、そのことに対する“気づき”を適切に重ねていくことで、心を整え、落ち着いて現実に対処できるようになります」(奥田先生・以下同)

奥田先生は、日々、多くのビジネスパーソンの心身のケアに関わるなかでマインドフルネス瞑想がストレスケアに大きな効果を持つことを実感。有志とともに「日本マインドフルネス普及協会」を立ち上げ、わかりやすい実践法を伝えている一人です。

「マインドフルネス瞑想を日常に取り入れると、心や脳が穏やかに休息する時間を定期的に持てるだけでなく、さまざまな感情に支配されている自分に気づくことができるようになります。そうすると怒りやイライラといったストレスと距離を取れるようになり、その感情を手放しやすくなります」

医学的・科学的にも効果が実証されているという、このマインドフルネス。夏疲れ対策としては、どんなふうに活用すればよいのでしょうか?

基本は食事と睡眠

医師である奥田先生いわく、夏疲れの予防・解消の基本はやはり「食事と睡眠」の改善にあるといいます。基本的な生活習慣を見直したうえで、マインドフルネス瞑想を取り入れると、より心身の疲労解消効果が高まるそう。

「暑さで食欲が落ち、かつ代謝も下がりやすい夏は、意識して栄養バランスのよい食事行う必要があります。疲労回復物質であるたんぱく質やビタミン、また熱中症対策のためにナトリウムなどのミネラル不足にも気をつけましょう。

朝・昼・夜と一日を通してバランスのよいメニューを心がけたいもの。たとえば昼食に、おにぎりや菓子パン、チャーハン、ラーメン、そば、うどんなど『糖質メイン』の単品メニューを食べていませんか? こういった食事は血糖値を急上昇させるため、身体にだるさを感じさせ、頭がぼーっとして急激に襲ってくる眠気の原因になります。午後からのパフォーマンスをぐっと落としてしまうNGメニューです。

肉や魚、卵などの動物性たんぱく質と野菜がしっかり含まれたランチを選び、腹7~8分目を心がけましょう」

また、「食事の際には“マインドフルネスイーティング”を行い、『今、ここ』に心を戻し、食に心を傾けましょう」と奥田先生は言います。

マインドフルネスイーティングとは一体なんなのでしょうか?

「いつも食べ慣れている食材でも、意識次第で、まるではじめて食べるかのように、舌触りや歯触り、噛んでいくにつれて起こる味の変化を感じることができます。視覚・嗅覚・味覚・触覚をフル活用して、心を『今、ここ』に戻しましょう」。

たとえば、パンを食べる場合の手順はこうです。

「まず、『パンを食べます』と心の中でつぶやき、パンをちぎってその形や色を集中して眺めます。次に鼻に近づけてパンの香りに集中してみましょう。そのあと、パンをゆっくり口に入れて、口腔内でのふんわりとした触覚に集中します。そして、ゆっくり噛みながら歯触りや、味の変化を感じ取るのです」

このように、食事ひとつをとっても意識的に行うことで、心が整うだけでなく、食べ過ぎや自分に今、必要な食材にも気がつきやすくなるんだそう。

1日6時間の睡眠で夏疲れに対抗

睡眠についても同様に重要な要素です。

「睡眠は心と体のフルメンテナンスを行ってくれる、とても大切なものです。全身の疲労を回復したり、傷ついた組織を修復するホルモンを放出したりして、睡眠中の身体は免疫力を高めています。夏疲れの蓄積は、1日6時間以上の睡眠をコンスタントに取ることで防止できます。良眠を妨げる悪習慣を見直すことも大切です」

【よい睡眠をとるためのポイント】
・午前中に起きて太陽の光を浴び、生体リズムをきっちりスタートさせる
・日中は体をよく動かす
・昼寝は午後15時までに1時間以内にとどめる
・食事は眠る2~3時間前までには食べ終える
・アルコールは適量にとどめ、眠る2~3時間前には飲み終える
・眠る2~3時間前からはスマートフォンや激しい動きのゲーム、テレビ、DVDなどは控える

夏は暑さのため睡眠不足になりやすい季節。

「ストレッチ瞑想やリラックス・ボディスキャン瞑想によって体の緊張を解いてあげることも、よい睡眠につながりやすくなるでしょう」

また、聞きなれない言葉が出てきましたが、奥田先生によると、ゆったりしたストレッチは、すべてマインドフルネス瞑想としてアレンジすることができるそう。

たとえば今夜からすぐできる「金魚ストレッチ」の方法をご紹介。

「まず床やソファーに寝そべって、腹式呼吸を数回行います。そして両腕をバンザイするように頭上にゆっくり伸ばし両手を組みます。この時、腕の筋肉や肩関節が伸ばされる感覚にしっかりと意識を集中させましょう。

次に体を上下縦方向にぐ~んと伸ばします。この際も背骨がぐっと心地よく伸ばされる感覚をキャッチ。次に金魚が泳ぐようなイメージで左右にゆらゆら全身をくねらせていきます。常に意識を筋肉の動きや関節、皮膚の感覚に集中させることがポイントです」

ほかにも、リラックス・ボディスキャン瞑想は、普段忘れている全身の感覚に意識を向けていくタイプの瞑想です。

「目を閉じ、ゆっくりとした深い呼吸と共に、頭のてっぺんからゆっくりと全身にくまなく意識を向けていきます。“心の目”で頭の中、両耳、目、鼻、口、首、左右の肩、背面と順を追って眺めていくイメージで、普段は無視している感覚をキャッチしていきましょう。もし、力がすごく入っている、固い塊がある、つっぱっているなどと感じた部位があれば、その都度ふ~っと脱力してみてください」

オフィスでできる瞑想も

また、オフィスワーカーの人は、夏の間、冷房に長時間さらされることが多いため、血行不良や、外部との気温差によって自律神経のバランスを乱しやすいもの。

そんな人におすすめのすぐできるマインドフルネス法が、ストレッチ瞑想です。

「簡単なストレッチも、一つひとつの筋肉の動きにじっくり集中して感じていくと、立派なマインドフルネス瞑想になります。パソコン作業の疲れをとるためには、首をゆっくり回す、肩を回すなどのストレッチをマインドフルネス瞑想にアレンジしながら行うと効果的です。

まず、深呼吸で呼吸と心を整え、首や肩関節をゆっくりと回旋させます。各動作を行う前には心の中で『首を動かします』『肩を回します』などと確認してからストレッチをスタートさせましょう。できるだけゆっくり動作を行いながら、筋肉や関節、骨の動きをじっくり感じとるように意識を集中させることで瞑想効果が生まれます」

オフィスの移動や、お昼休みのランチ帰りに試したいのがウォーキング瞑想。歩く時の筋肉や関節、足の裏など体の感覚に意識を集中させる方法です。

「なんとなく足を踏み出すのではなく、歩行時に『右の足裏がついた』『左の足裏がついた』『膝関節が伸びた』『ふくらはぎの筋肉がつっぱった』など体に生じる感覚をじっくりと味わいながら歩いてみましょう。なにか思考が頭に浮かんだら、足裏に感覚を戻します。オフィスの廊下や階段を活用し、3~5分ほどのコースを確保して定期的に実践するとよいでしょう」

瞑想というと難しく感じますが、今回教えてもらった方法は今すぐできそうな簡単なものばかり。少しの意識が心のモヤモヤと夏の疲れを解消してくれるのであれば、試す価値はありそうです。

『ストレス・疲れがみるみる消える! 1分間 どこでもマインドフルネス』奥田弘美 著


近年、アメリカのグーグルやフェイスブックなど一流企業が取り入れて話題になった「マインドフルネス」。ストレス解消法として、集中力を高める手法として、ビジネスパーソンを中心に人気が高まっています。本書では多忙なビジネスパーソンのために「1分間からできること」をテーマに、瞑想やストレッチなどすぐに使えるさまざまな実践方法をイラストや医学的な知見を交えて、わかりやすく紹介します。

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