はじめに
大学と寄付者それぞれの思いを繋げていくために
――途中で寄付先の大学を変更できる仕組みにしたのはなぜでしょうか。
関口: 大切なお金を寄付していただいているので、大学側にも継続的な支援を続けたいと思わせるよう頑張ってほしいという思いがあります。研究内容やフィードバックによっては「別の大学に変えよう」となるのは当然。また、情報を強化することで今まで大学の研究に関心を持っていなかった人たちも呼び起こしたい。ただ寄付者の皆様と大学側の間に入るだけではなく、双方の思いを繋げていくためにこうした仕組みにしました。寄付者の皆様も見返りを求めているわけではないと思いますが、情報提供がないと継続した寄付は難しくなるはず。今後は、フィードバックを文書だけでなく動画も使うなどして寄付が研究や社会に役立てられている実感を促す仕組みにしたいです。
――今後の展望を教えてください。
関口: 今回は医療支援に絞りましたが、寄付者の皆様は世の中の状況に応じて寄付したいテーマが変わってくると思います。新しい関心事が出てくれば、大学やそれ以外のものと連携してテーマを拡張したいですね。また、信託は柔軟な仕組みを持っているので、株式や不動産など金銭以外を預ける方法の寄付があってもいいのではないかと思っています。テーマや対象資産を広げることでさまざまなニーズに対応でき、本当の意味で息の長い取り組として社会課題の解決に向かえると考えています。