はじめに
予想される株価水準は?
2022年においてもインフレと米金融政策は世界的な関心事ですが、相場動向を考える上では、より本質的ともいえるファンダメンタルズに目を向けたいところです。
インフレや米金融政策自体がファンダメンタルズに影響を与えてしまう可能性も否定できないものの、今のところ、米国企業の2022年の業績は2021年比で二桁増益も視野に入れる状態にあります。
米国株(S&P500)の予想EPSと適正と考えられる予想PER(株価収益率、株価÷予想1株あたり利益で計算)を20倍として求められる2022年内の高値は5,000ポイント程度です。それをNYダウに引き直して考えると、39,000ドル程度となります。
これまでのような派手な株価上昇とはならないかもしれませんが、2022年の米国株には、ファンダメンタルズの回復に見合った、適度で健全な株価上昇が期待できると見ています。
加えて、物色面ではハイテク優良株への注目を継続させつつも、景気回復の恩恵を受ける景気敏感・バリュー株にも目配りしたいところです。
<文:チーフグローバルストラテジスト 壁谷洋和>