はじめに
法人化はどのタイミングが良いのか?
法人化すべきタイミングは、節税対策で考えると「利益が〇〇円以上」など、おもに利益を基準に決められることが多いです。
しかし、実際には節税だけでなく、会社としての信用度アップや社会保障を手厚くし、さらに社会保険料の節約に繋がるケースもあるため、早い段階から行った方が良い場合もあります。
例えば、下記のようなケースでは実際に利益はそれほどなくても、大きなメリットをもたらす結果となりました。
ご夫婦でリラクゼーションサロンを営むAさんの場合
家族構成は、夫35歳、妻32歳、第一子4歳、第ニ子2歳。年間の所得は約500万円(妻に専従者給与を80万円支給、青色申告55万円の控除後)。妻は夫の事業の経理を担当。夫婦共に国民年金保険の第一号被保険者、国民健康保険に加入。
法人化前
法人化後
役員報酬・夫180万円、給与・妻88万円(第三号被保険者として夫の扶養に追加)。自宅の一室をサロンとして使っているため、毎月家賃として4万円代表者である夫に支払う。生命保険料、法人から個人型確定拠出年金の掛け金を拠出。法人利益200万円で計算。出張旅費規程導入
その差額をまとめると以下の通りです。
このように、税金、社会保険料だけで100万円近くも支出が減ることになります。しかも、厚生年金に加入し将来受け取れる年金や遺族年金なども手厚く、傷病手当金も僅かな金額ではありますが受け取ることができるようになりました。さらに、3歳未満児の保育料も前年の課税所得で算出されますので、保育料まで最低水準に下がります。
税理士報酬の上昇や、会計ソフトの申告サービス分など費用が上がるところもありますが、それらを差し引きしても大きな削減効果を産むことがあります。今回の事例は従業員がいない場合ですが、社会保険料の負担が発生しても法人化すると、大きなメリットが得られる場合もあります。
そのため、副業ではなく本業として事業を行っていこうと考えているのであれば、早い段階で法人化を検討した方が良いかもしれません。社会保険や税金の面でのメリット、デメリットを考慮し、検討してみましょう。