はじめに
分散投資を実践されている方は、どの金融商品に、どれだけ投資しているかを表す「ポートフォリオ」を意識されているかと思います。投資家それぞれの戦略や目的に合わせて組むポートフォリオですが、その配分をリバランスする必要があることをご存知でしょうか?
投資において、リバランスは非常に重要なステップの1つですので、投資を始めたばかりだったり、リバランスをしたことがないのであれば、ぜひこの機会に知っていただきたいです。今回は、リバランスの重要性と、いつ、どのようにリバランスを行うのかを解説します。
リバランスとは?
リバランスとは、例えば「株60%、債券40%」といったような、元々設定した資産配分が市場の動きなどで変動し、そのバランスが崩れてきたときに、再度元の配分に戻す行為を指します。リバランスを行うことで、特に長期投資をする際にリスクの適切な管理と収益の最大化を目指すことができるといわれます。
市場は常に変動しているため、ある年は株式市場が好調で、ポートフォリオ内の株の割合が増加するかもしれません。逆に、債券市場が良好な年は、債券の割合が増加するでしょう。このような変動があると、元の資産配分から外れ、リスクのバランスが崩れる可能性が高まります。その際にリバランスが必要となるわけです。
リバランスのタイミングは?
実際にリバランスを行うタイミングは、主に2つの方法で決定できます。
(1)定期的なリバランス
例えば、年に1回や半年に1回など、一定の期間を設けてリバランスを行います。特に長期投資では、“ほったらかし”になりがちな方もいらっしゃると思いますが、期間を決めることで自分のポートフォリオの資産配分をチェックし、必要に応じてリバランスを行ってリスクを適切にコントロールし、投資目的に合わせた運用を継続することができます。
(2)許容範囲ベースのリバランス
例えば「5%以上の偏りがあった場合」など、事前に決めた許容範囲を超えた際にリバランスを行います。ご自身のポートフォリオを定期的にウォッチしておいて、許容範囲を超えた際に対応できるようにしておかねばなりません。
ウォッチしている分、市場の流れをとらえることができるともいえますが、急激な相場の上昇や、急落の際には、焦ってリバランスをする事はマイナスの時もありますので注意をしておくことが必要です。
どちらの方法も一長一短がありますので、投資の目的やスタイル、時間的な制約などを考慮して、自分に合った方法を選択しましょう。
リバランスを行う際は、過度な資産を売却し、不足している資産に投資することで、元の資産配分に戻します。ただし、売却には税金や取引手数料がかかる場合がありますので、それらのコストも考慮する必要があります。