はじめに

住宅購入後の収支状況を確認

返済比率を元に算出した借入可能額である4,000万円の住宅ローンを上記条件にて組み、4,000万円の住宅(土地を含む、諸経費は自己資金より充当)を購入した場合のライフプランを作成しました。

すると、教育費の負担が大きくなる第二子大学進学時に赤字へ転落、預貯金のマイナス額が最大で400万円となり、住宅ローン返済の継続が困難になることが判明しました。現在はご主人の勤務先の住宅補助が手厚く住宅費が少ない一方、生活費と趣味娯楽費が多く、全体的に支出が膨らんでいます。

資産形成を行っていますが、個人年金保険などの老後への備えが手厚くなっており、預貯金額や、今後負担が大きくなる住宅費と教育費への備えが十分ではありません。

このままでは住宅ローンを抱えることに対してリスクが高いことがわかり、支出の改善と、資産運用の見直しが必要であることをお伝えしました。

早めの対策でより安心な住宅購入計画を

今回のケースでは、支出の改善のために固定費の削減から進めていきました。格安SIMへの切り替えと、保険の見直しで月2万円の削減効果が得られました。また、資金が必要なタイミングで現金化しやすいように、個人年金保険を解約し、NISA制度を活用した住宅ローンの返済にも無理のない資産運用を行っていくプランをご提案しました。

支出の改善と資産運用対策を行うことで、住宅ローン返済とライフイベントの両立が叶うライフプランとなりました。これはライフプランを作成し、「収入」「支出」「資産」「負債」の全体像を把握できたからこその成果です。相談者様も課題が明確になったことで安心され、「住宅購入の実現に向けて取り組んでいきたい」と前向きに行動を起こされています。

せっかくご自身の家を持つのですから、理想の暮らしを叶える家に住みたいものです。希望の住宅購入を叶えるためにも、ライフプランを元に資金対策を立てていくことが効果的です。

住宅購入とライフプランを叶える秘訣

住宅ローンの借入可能額を想定することを目的とされていた相談者様ですが、思わぬところに家計の課題があることがライフプランの作成を通してわかりました。

住宅購入を検討しはじめると、流れに巻き込まれてしまい、落ち着いて考える間もなく選択を迫られます。焦って判断を誤らないために、事前にゆっくり家族のお金と向き合うことが、住宅購入とライフプランを叶える秘訣です。

これから住宅購入を検討される方は、理想の住宅購入を安心して叶えるために、ライフプランを立てて家計全体を把握した上で住宅購入計画を進めることをお勧めします。

【監修】伊達有希子/ファイナンシャルプランナー(CFP、1級FP技能士)

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