はじめに
<2>メリットの多さが目につく「クーポン」
冒頭の通り、クーポンは昔から使われている販売促進の手法ですが、人気の理由もこの本を読めば納得できます。
クーポンの良さは、発行主体が自由に特典の水準を決められ、購買の動機付けがしやすい点にあります。吟味された特典を、的確に展開できたときには、新しい顧客の獲得におおいに貢献します。また、地域ごと、ターゲットごとといった限定クーポンの発行も可能なので費用効率が良い点もメリットです。
発行主体も多様で、地域密着型の店舗が独自に発行することもできます。お店に来た人に対して、その次に来店したときに使えるクーポンを発行すれば、また来店する動機付けにもなるでしょう。
<3>寿司チェーンが起死回生の手に使ったのは「増量パック」
「増量パック」の代表的な施策は「食べ放題」です。
起死回生の一手としても使用され、今年6月には全国チェーンの「かっぱ寿司」が業績の落ち込みを打破すべく、1ヶ月限定で寿司食べ放題のキャンペーンを実施して話題を呼びました(食べ放題は7月14日で終了)。メディアの取材も殺到するなど、成功をおさめたようです。
「○○放題」にはこの他にも「詰め放題」「乗り放題」などがありますが、同じ価格で商品の量が増えるため、消費者側に「割安感」と「好奇心」という刺激をもたらし、購入を促進するメリットがあります。
ただ、注意点は商品の量が増えることで原価コストが上がること。これを防ぐために質を落とすと、逆に顧客が離れていくケースもあります。
基本の知識から最新のトレンドまで網羅した一冊
『担当になったら知っておきたい「販売促進」実践講座』には、この3つの他にも多様多種な販促方法が紹介されています。
本書175ページ「展開手法別・適用業種の一覧表」図表
どんな手法をとるかは、そのときの企業や店舗の経営状況や周囲の環境などによって大きく変わってくるはず。本書は目標設定から計画、実行のノウハウに加え、効果測定の知識と技術も網羅しているので、どんなケースでも応用できる普遍的な情報を提供してくれます。
また、ソーシャルメディア運用やインターネットでの販促についても触れられているのも特徴です。「ターゲティングって何?」「炎上が怖いけれど、何の情報を発信すればいいの?」という人は必読といっていいでしょう。
知れば知るほど奥深い販売促進。だからこそ面白く、やりがいのある世界なのです。
担当になったら知っておきたい「販売促進」実践講座 岩本俊幸 著
販促の「基本」「目標設定」「計画」「実行(販促手法)」「評価・改善」を実践に即して解説。「直接的な販促」「媒体による販促(新規顧客向け)」「同(既存顧客向け)」「イベントによる販促」「HP、ブログ、SNSなどネットによる販促」等に完全対応!
記事提供:日本実業出版社