はじめに
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は内藤忍氏がお答えします。
世の中には「ファイナンシャルプランナー」という方がたくさんいらっしゃいますが、ごく一般の主婦でも家計をチェックしてもらうことができるのでしょうか? いくらかかるのかわからないため、まだ一度も専門家の方に相談したことはありません。どのようなアドバイスをいただけるのでしょうか? また、最初はセミナーに参加したほうがよいですか。それとも個人的に相談したほうがよいのでしょうか。
(30代後半 既婚 女性)
内藤: ファイナンシャルプランナーとは、金融の専門家としての認定資格を取っている人です。
AFP、CFP、FP技能士など呼称は認定機関によっても変わりますが、問題は資格の有無ではありません。弁護士や医者を選ぶのと同じように、よい人を見つけることが大切になります。
よいファイナンシャルプランナーの条件
よいファイナンシャルプランナーの条件には2つがあると思います。
1つは当然のことながら、知識や経験が豊富で相談者の悩みに的確な回答を出せることです。
ファイナンシャルプランナーは資格を持っている方でも、そのバックグラウンドによって知識に偏りがある場合が多いのです。
たとえば保険会社出身のファイナンシャルプランナーの場合、保険の知識はあっても、投資商品の知識がない。あるいは、銀行で仕事をしている方の場合は、株式や不動産といった商品の知識がない。そんなケースが少なくありません。
どんな実務経験を積んでいるかによって、その人の強みが変わってくるのです。
まず、能力の高い人を選ぶことが1つ目です。
お金のホームドクターには信頼できる人を
そしてもう1つが人間性です。
プライベートなことを打ち明けて相談するわけですから、安心して相談できる人でなければなりません。人柄や相談者との相性も重要になります。自分に合った、気持ちよく相談できる人を選ぶべきなのです。
相談料は人によってさまざまですが、1時間1万円程度の場合が多いようです。
具体的なライフプランや資産配分について相談はできますが、個別銘柄のアドバイスなどは投資助言行為に当たりますので行いません。
ファイナンシャルプランナーは“お金のホームドクター”のような存在だと言えます。
単にお金の専門的な知識をアドバイスするだけではなく、資産運用やライフプランに関するメンター(相談相手)になってもらえば、極めて有用な存在になると思います。
ただし、そのためには信頼できるパートナーを見つける必要があります。
2つの条件を満たす人を見つけるためには
2つの条件を満たす人を見つけるためには、まずは自分が気になるファイナンシャルプランナーを探し、セミナーで話を聞いたり、ネット上の相談ページなどを見てみましょう。
そして一度会って相談してみて、気に入ったら定期的に相談するようにするのがよいと思います。
定期的にコンサルティングを受けることができるファイナンシャルプランナーが見つかれば、個別の相談についても悩みを解決することができ、お金との付き合い方をうまく変えていくことに役立てることができるでしょう。