はじめに
今後注目の衛星データ関連企業Synspective
Synspective は小型SAR(合成開口レーダー)衛星を開発・製造・運用し、SAR衛星データの販売と衛星データを利用した解析ソリューションを提供しています。
2015年から始まった内閣府主導の「ImPACTプログラム」では、小型SAR(合成開口レーダー)衛星の研究開発が行われ、そのプログラムマネージャーがSynspective創業者として名を連ねています。「ImPACTプログラム」では、大型SAR衛星と同等に近い性能を維持したまま、小型・軽量化を実現した世界トップレベルを誇る小型SAR衛星の要素技術が完成しました。
SAR衛星とは電波を地表に向けて発射し、反射した波を受信することで、地表の形などを画像化する人工衛星のことです。
2018年に会社を設立、従来のSAR衛星は1,000キログラムを超えていましたが、同社の小型SAR衛星「StriX(ストリクス)」は100キログラム程度に小型・軽量化し、低価格化を図ることで多数基生産を可能にしています。収益源は「データ販売」と「ソリューション提供」が2つの柱となっています。
データ販売は安全保障、防災・減災、インフラ・国土開発などの官舎が中心です。ソリューション提供ではStriXで取得したデータを中心に解析し、その結果を業務ですぐ利用できる情報として提供し、これによりSARデータの分析能力を持たない民間顧客も衛星データを利用できる仕組みです。顧客は各国の省庁以外にも損害保険、インフラ開発・土木工事、資源エネルギー開発事業者にも拡大しています。
2024年9月には、小型SAR衛星の量産工場が本格稼働し、2020年代後半までに30機の小型SAR衛星コンステレーションを構築する目標を実現するための生産体制が整ったとしています。IPOの主幹事は野村証券で売り出しは2449万株、初値予想は600円~800円です。今後、衛星データ関連は注目セクターとなりそうですが、依然として業績は赤字となっています。その辺りが注意点です。
その他、インフォメティス(9日:グロース市場)はソニーから家電分離技術を譲渡され独立した企業、また社名が目を引く令和アカウンティング・ホールディングス(23日:グロース市場)などの上場が予定されています。
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