はじめに
春になると、進学や就職で親元を離れて新生活を始めるひとも増えます。新生活の心配事のひとつが保険。ひとりでの生活は今までと違ったリスクが伴います。新生活を始める時に注意しなければならないポイントを解説します。
自動車保険料を安く抑えるには
筆者が住む青森県では、自動車は一家に1台ではなく、ひとりに1台という家庭が多く、高校卒業と同時に運転免許を取得するひとが大半です。公共交通機関が不便な多くの地域では通学・通勤に自家用車を使うひとが多いでしょう。地方から比較的交通網が便利な地域に移る場合でも、郊外に大学がある、就業時間が不規則で自動車通勤が必要というケースもあります。高校卒業後や大学卒業後の年齢の場合、自動車保険に新規に加入すると保険料はかなり高額になってしまいます。
保険料を安く抑えるポイント
①同居家族の等級を譲り受ける
転居前に車を購入し保険に加入する場合は、同居の親あるいは祖父母の等級を自動車購入時に入替え譲ってもらいましょう。長年自動車保険に加入しているひとの場合、事故での等級ダウンがあったとしても、高い割引等級を持っています。
年齢条件が若年の場合、事故のリスクが高く、新規等級では負担がかなり大きくなります。等級を譲ってしまうと、親や祖父母の保険料は高くなってしまいますが、トータルで考えると入れ替えた方が総額は安くなります。ただし、同居の家族という条件がありますから、同居のうちに手続きをする必要があります。
②セカンドカー割引を使う
総額が安くなるかもしれないが、割引等級を譲るのはもったいないという場合は、セカンドカー割引を使いましょう。このケースも同居が条件です。同居の家族に11等級以上の割引等級を持っているひとがいる場合、新規等級より割引率が高いセカンドカー割引等級で加入できます。
③中断等級を使う
自動車保険を解約した時、一定の条件が整っていれば、その時点の割引等級を10年間取っておける仕組みがあります。同居の家族に、免許を返納し自動車保険を解約した時の中断等級を持っているひとはいないでしょうか。仕事で別居することになり、自動車が不要になったので、譲渡し中断等級を持っているひとはいないでしょうか。同居の家族で中断証明書を持っているひとがいたら、その等級を使わせてもらいましょう。
いずれも、転居する前に準備しておくことで、割安な保険料で保険に加入できます。事前に保険担当者に相談するといいですね。
火災保険
ひとり暮らしを始める場合、多くはアパートやマンションなどの賃貸住宅に住むことになります。賃貸契約を結ぶ際には、火災保険の加入が条件となっているので、借りる際に勧められた保険に加入するのがよくあるケースです。
セット商品となっている火災保険では、家財の補償、貸主への賠償事故を保障する借家人賠償、日常生活での賠償事故を保障する個人賠償がセットになっていますが、地震保険が付いていないケースが多くみられます。アパート住まいでは多くの家財は持っていないから大丈夫と考えるかもしれませんが、地震大国の日本ではどこで地震被害にあうかわかりません。
借家人賠償が一定金額ついていれば、借りる際に勧められた商品以外の火災保険でも問題はありません。地震保険を付帯した火災保険に加入しましょう。