「やめなさい」は逆効果、夏休み明け"子どものゲーム依存"スマホ利用とどう向き合う?
親も子も肩の力を抜くことも大事
前回、子どものオンラインゲームやスマホの利用に悩む保護者たちの声を取り上げました。スマホやパソコン、ゲーム機でのゲームへの過激な熱中、依存は「ゲーム障害」としてWHOの『ICD-11』の国際疾病分類に認定されています。新型コロナ感染拡大による臨時休校、短縮された夏休みが明け、コロナとの共存が求められる現在。子どもたちのスマホ利用やゲーム依存の実態と、家庭での対応策を、子どものみならず大人にも適用する「インターネット・ゲーム・SNSなどの依存度チェックリスト」を交えながらお伝えします。
休校中で崩れたリズム、「早起きよりもぐっすり眠ることを最優先」で取り戻す
まずは健康的な生活を
最長で3カ月にも及んだ休校期間から段階的に学校再開がなされていますが、子育て家庭から学校再開への不安として「休校期間中、親子ともに生活リズムが乱れてしまい、朝、なかなか起きることができない」「心身ともに学校生活へ適応できるだろうか」「どう生活のリズムを戻せばよいか」といった声が多く聞かれています。また休校期間中には、外出自粛もあり、子どもが体力を持て余して、家のなかでイライラしているという悩みも聞かれていました。休校中には体育の課題として「一日一回は室内でできる運動をしよう」、例に「縄跳び」「YouTubeを観てダンス」などが挙げられていたものの、住宅事情によっては困難だという声もありました。新型コロナウィルス感染拡大の状況はいまだ予断を許さず、当面は保護者の就労を含め、外出も以前より控えめとせざるを得ない期間が続くでしょう。学校再開がなされるいま、子どもたちや子育て家庭はどのようなことに気をつければよいのでしょうか。
在宅勤務に関して保護者の間でも隙間風、今後も残る働き方の課題
子どもも仕事もどちらも大切
緊急事態宣言が解除され「新しい生活様式」のもと、日常が徐々に再開しています。当面はコロナとの共存が求められるなか、テレワークやリモートワークを継続したり、またこの機に業務の仕組みを効率化したりといった企業もあります。そんななか「在宅勤務のできる・できない」などをめぐって、子育て中の保護者同士が対立するといったことが起きています。実例を挙げながらお伝えします。
オンラインゲーム内でイジメ勃発も、休校期間中の子どものゲーム依存が深刻に
子どももストレスが溜まっている
2020年2月27日に出された臨時休校要請に始まり、また多くの学校にとって始業や入学のタイミングにあたる4月7日には7都府県を対象に緊急事態宣言が発令されました。同月16日には対象地域を全国へ拡大、そして5月3日には緊急事態宣言の延長が宣言されました。特別警戒都道府県とされる13都道府県では特に、2ヶ月半に及ぶ休校期間を過ごしている家庭も多くあります。長引く休校中、家庭での過ごしかたに悩む保護者の声を聞きました。
年度をまたいで休校が続き学校現場は混乱、子どもを守る担当者の苦悩
連携が必要だが現状は困難
2020年5月14日。39県で緊急事態宣言が解除され、それに伴い学校再開へ向けた動きが見られています。6月1日から学校再開としていた予定を5月中へと変更したり、また分散登校など段階的な再開へ向けた動きがとられたりしています。前回、休校中に、虐待や暴力、DV、貧困などの懸念されるハイリスク家庭へ対応することの難しさとその要因、子どもたちの置かれている実情を対応に奔走する教職員の方々の声を交えお伝えしました。9月始業制度も議論されるなか、今回は年度をまたぎ長引く休校期間中の学校現場や児童相談所、自治体職員、スクールカウンセラー、子育て支援センターや児童養護施設などの実情を追いました。
生徒が教師にLINEでSOSも…休校中のハイリスク家庭への対応に苦慮
現場の試行錯誤は続く
2020年5月4日、緊急事態宣言の延長が発表されました。それに伴い、特定警戒都道府県を中心に臨時休校を延長する見込みが高まっています。自治体や学校により対応は異なりますが、2月27日に出された臨時休校要請から、仮に緊急事態宣言の延長期間である5月末日までを休校とすれば、休校期間は実に3ヶ月にも及ぶこととなります。刻一刻と変わる新型コロナ感染拡大の状況に鑑み、その期限ですら不透明です。前回、休校中の子どもをどう守るかは、各家庭のみならず、学校や地域、社会にとって大きな課題であること。しかしながら虐待やDV、貧困などが懸念されるハイリスク家庭へ、休校中に対応することの難しさについてお伝えしました。どのような問題点があり対応を困難にさせているのか。学校の9月始業・入学制の導入についても議論されるなか、コロナ禍における子育て家庭の貧困、深刻な虐待やDVなどの現状を、対応へ東奔西走する学校現場の声を交えお伝えします。
学校現場は対応練るも「ちゃぶ台返し」の繰り返し、コロナ禍で疲弊する教育現場
学校開放や居場所事業、休校中の子どもをどう守るか?
年度を跨ぎ、長引く臨時休校。休校中の子どもたちをどう過ごさせるか、どう守るかは、各家庭のみならず、学校や地域社会にとっても大きな課題です。2020年4月13日、厚生労働省は全国の自治体に対し、休校中の児童・生徒の状況把握、また家庭訪問や緊急一時保護などの対応へ努めるべく、学校との連携を図るよう求めました。しかし学校現場では、とうにその対応がとられています。児童相談所などとの連携も行われています。それでも数多の壁にぶつかっています。刻一刻と変わる新型コロナウィルス感染拡大の状況下。子どもたち、また保護者の就労を含めた家庭生活や社会経済、そして健康な暮らしを守るべく行われている学校や地域の取り組みを取材しました。
保育現場で「三密」を避けるのは困難…約2カ月、葛藤が続いてきた現場の声
保育園や学童保育は先の見えない不安に疲労困憊
2020年2月27日。日本政府より臨時休校要請が出され、子育て家庭や学校現場に激震が走りました。新型コロナウィルス感染拡大については、刻一刻と状況が変わっています。政府の方針も二転三転するなか、地方自治体や教育委員会、学校現場、保育園や学童保育所などは、そのたびに対応に追われ疲労困憊しています。子育て家庭からは、特に仕事をもつ親たちから死活問題だと悲鳴が上がっています。保育士や、働く保護者らの声を聞きながら、2月末から3月、4月の、保育現場や学童などの状況と、その変移を追いました。
夫の育休取得について喜ぶ妻、実は少ない!?夫婦のホンネに迫る
「少しずつの参加をコンスタントに」と求める声多数
小泉進次郎環境相の育休取得が賛否を含め議論を呼びました。政府は2020年までに男性の育児休暇取得率を13%に引き上げるという目標を掲げていますが、厚生労働省によると、年々上昇傾向にあるとはいえ、2018年度は6.16%に止まりました。また女性の育児休暇も8割が取得しているとされていますが、実際には妊娠・出産を機に退職せざるを得ない企業風土や、育休制度の形骸化といった問題をはらんでいます。産後女性へのアンケートや、筆者に寄せられる相談事例をもとに「育休」をめぐる子育て家庭の現実や、夫・妻、それぞれの本音に迫ります。
ブラック育児社会を変えたい!働き方と子育てを繋ぐ「企業版ネウボラ」とは?
広島での取り組みとは
前2回(世田谷区と浦安市の取り組み)の記事で、虐待防止は子育て支援とセットで行われるべきであること、安心して子育てのできる環境を築くためには、深刻な事態に陥ってしまう前の段階で虐待のリスクを未然に防ぐことが大切であるという視点から、フィンランドの子育て支援策「ネウボラ」を参考に取り入れている日本国内の自治体を紹介しました。今回は、より私たちの暮らしに密接した企業へアプローチする「企業版ネウボラ」という取り組みをご紹介します。
核家族率の高い「浦安市」、子育て支援は充実している?
「孤育て」を救うサポート体制とは
東京に隣接する利便性から人気が高く、ベッドタウンとして発展している千葉県浦安市。同市もフィンランドのネウボラを参考に「切れ目のない支援」を行なっています。市の特徴としては、人口流動が大きく、高齢化率が低くて若い世代が多いこと。また18歳未満の子どもを養育する子育て家庭の核家族率は、平成27年は95.7%。祖父母が身近にいない、相談できる友人・知人もおらず「孤育て」に陥りがちな家庭の多さが浮かび上がります。そんな浦安市で、子育て家庭の孤立や不安を軽減するために行われているサポートの実態に迫ります。
地域と医療の連携で虐待を防ぐ、子育て支援策「世田谷版ネウボラ」とは?
フィンランドの子育て支援策を参考にした自治体の取り組み
福岡県田川市で、24歳の夫婦が1歳の三男をエアガンで数十発撃ち、三男はその後、死亡。また栃木県足利市では、交際している女性の息子である2歳の男児の胸に、スタンガンを押しつけた傷害容疑で無職の男(37歳)が逮捕されるなど、信じ難いほど凄惨な虐待の報道が続いています。被害児には、いずれも日常的に虐待が行われていた痕跡がありました。虐待防止・対策の強化が、わが国にとって一刻を争う急務であることは間違いありません。前回、「虐待防止と子育て支援はセットで行うべきである」と提言しました。その理想的なモデルのひとつが、フィンランドの子育て支援である「ネウボラ」という制度。日本でもいくつかの自治体がネウボラを参考とした子育て支援を取り入れており、広まりを見せています。
母親を孤立させないために、児童虐待の事件から考えたい事
母親を見守る視点こそ必要
目黒女児虐待死事件の母親の公判で、5歳の女の子の死に至るまでの凄惨な様子が明らかになる中、鹿児島県出水市では4歳の女の子が母親の交際相手の暴力により亡くなりました。虐待事件が起きるたびに上がるのは、児童相談所に対する非難の声です。全国的に人手不足といわれている児童相談所。しかし、虐待の通告には、そんな児童相談所の業務を不用意に圧迫しかねない問題点があるのではないでしょうか。
南青山「児童相談所建設問題」にみる日本の家族文化
一等地だからこそ起こる深刻な現実
南青山に建設予定の児童相談所を含む施設を巡って、論議が紛糾。社会問題となっています。日本の家族文化・家族問題を踏まえ、いわゆる一等地と呼ばれる地域の家族から寄せられる相談事例を挙げながらこの問題を考察します。