「ハードフォーク・ソフトフォーク」って何?暗号資産にたびたび起こる改善の仕組みを解説
ブロックチェーンの分岐とルール変更
ビットコインは11月16日に「タップルート」と呼ばれるソフトフォークによって仕様の改善をおこないました。2017年8月には「セグウィット」というソフトフォークを実施し、今回はおよそ4年ぶりとなる大型アップデートに注目が集まりました。また、ネムとシンボルという暗号資産も同じく11月にそれぞれハードフォークを実施しました。このように暗号資産について調べていると「ソフトフォーク」や「ハードフォーク」という言葉を目にします。どちらも暗号資産を改善するものですが、仕組みに違いがあります。そもそもどのような時にソフトフォークやハードフォークはおこなわれるのでしょうか。以下では過去の事例を交えつつ、基本的な内容を解説します。
米国でビットコイン先物ETFが上場、現物ETFはくる?日本で取引できるのはいつ?今後の展開を考察
ビットコインは10月に史上最高値を更新
ビットコインは10月に一時1BTC=760万円まで上昇し、およそ半年ぶりに史上最高値を更新しました。5月に暴落してから再び高騰するに至った要因は様々ありますが、最大のきっかけとなったのが米国におけるビットコインETFへの期待です。ビットコインETFの議論は2017年から盛んに行われてきましたが、これまでは価格操作や詐欺などの懸念から当局に認められてきませんでした。しかし、暗号資産市場が年々拡大するなかで、今年に入ってから再び実現の可能性が高まっていました。今年2月にはカナダで、6月にはブラジルでビットコインの現物ETFが実現し、そして10月に米国でビットコインの先物ETFが実現しました。現物と先物の違いはありますが、米国で初めてビットコインのETF商品が上場したことでビットコインの価格も高騰しました。今回は、なぜビットコインETFが大きく期待されるのか、今後市場で注目すべきポイントについて解説します。
暗号資産を取引する際に必要な「ウォレット」って何?どんな種類があるの?基本を解説
エルサルバドルで「Chivo」開始
9月7日、エルサルバドルでついにビットコインが法定通貨となりました。ニュースの映像では国民が係員の案内に従って専用ウォレット「チボ(Chivo)」の操作をしたり、国内に設置されたビットコインATMを操作したりする様子が報じられました。その一方で、ビットコインの法定通貨化に反対するデモの動きもみられ、当日にはシステムトラブルも発生しました。エルサルバドルの歴史的な取り組みは波乱の幕開けとなりましたが、月末には同国大統領がウォレットのアクティブユーザー数が210万に達したことを発表しました。これは国民全体の約3割に相当します。日本で流行している決済アプリ「ペイペイ(PayPay)」の登録ユーザー数が約4000万で日本の人口の同等割合ですから、エルサルバドルにおけるウォレットの広がり具合がいかに大きいかがわかります。エルサルバドルはウォレットの利用者に対して30ドル相当のビットコインを配ることによって普及を後押ししています。みなさんはもし3,000円相当のビットコインをタダでもらえるなら暗号資産のウォレットを使ってみたいですか?おそらく多くの方は「そもそもウォレットって何なの?」という疑問を
「暗号資産はハッキングのリスクが…」という人に知ってほしい、最新の暗号資産ハッキング対策
ポリネットワークとリキッドの事例を解説
暗号資産(仮想通貨)について調べていると「ハッキングにより〇〇億円が流出!」なんてびっくりなニュースを見かけます。実際に2018年には国内の暗号資産取引所が相次いでハッキング被害に遭いました。私たちの日常では考えられないほどの大金がほんの一瞬でインターネットの闇に消えていったわけです。なかなか暗号資産投資に踏み切れない人のなかには、当時のイメージをそのままに暗号資産は危ないと考えている人も多いかと思います。ハッキング事件をきっかけに暗号資産投資をやめてしまった人もいることでしょう。確かに今でも暗号資産のハッキング事件は毎年のように起きています。つい最近も、暗号資産がハッキングによって奪われる事件が発生しました。ところが、攻撃を受けた先の顧客資産のほとんどが犯人の手にわたることなく守られました。なぜ被害を防ぐことができたのでしょうか。今回は8月に起きたポリネットワークとリキッド、2つのサービスに対するハッキング事件をもとに、現在の暗号資産ハッキング対策について解説します。
暗号資産取引所バイナンスへ各国当局が警告、乱立する取引所選びのポイントは?
規制への対応をチェック
世界的に暗号資産(仮想通貨)の規制を強化する動きが早まるなか、バイナンスという海外の暗号資産取引所が各国の金融当局から相次いで警告を受けています。多くの国では取引所に対して免許の登録を求めていますが、バイナンスはほとんどの国で無免許のまま事業を展開していました。無免許業者というと取引所としては信頼が置けないような印象を与えますが、バイナンスは取扱銘柄や取引高、ユーザー数などどれにしても世界最大の暗号資産取引所です。過去にはハッキング被害にも遭いましたが、独自の補償基金を備えることによって即時に対応しています。なぜバイナンスは規制の外で世界有数の暗号資産取引所にまで昇り詰めることができたのでしょうか。今回は、一般的な暗号資産取引所の解説をしながらバイナンスの事業に注目してみます。取引所ビジネスを通じて、暗号資産・ブロックチェーンの世界を覗いてみましょう。
米ドルがあるのに新興国がビットコインを法定通貨にする切実な理由
中米エルサルバドルで2021年9月から通貨に
2021年5月、中米のエルサルバドルでビットコインが世界で初めて法定通貨として認められました。エルサルバドルは人口600万人程度の小さな国で、国内では米ドルが一般に流通しています。この国では9月から国民が米ドルに加えてビットコインを通貨として使うことができるようになる予定です。米ドルとビットコインを交換するためのATMも各地に設置されます。このニュースはあくまで小国での出来事でしたが、「ビットコインが一国の法定通貨になる」という歴史的な内容に相場はポジティブに反応しました。エルサルバドルの発表があった後にはブラジルやアルゼンチン、メキシコ、パナマ、パラグアイといった他の中南米諸国においても一部の政治家がビットコインを支持する姿勢を示しました。これを受けて突然、日本の政治家が「ビットコインを法定通貨にしよう」と言い出したら皆さんはどのように反応しますか?「ビットコインに投資することすらまだまだ抵抗があるのに、それが通貨になるだなんて信じられない!」「たとえビットコインが通貨になったとしても、日本円を持つ方が安心できる」おそらく多くの人はこのように否定的な反応をするかと思います。それではな
ビットコインが暴落!投資資産の価格が下がっても慌てないために 今からできるチェックポイント
あなたのポートフォリオは大丈夫?
ビットコインが暴落しています。テスラがマイニングの環境問題への影響からビットコイン決済を停止したことや、中国当局が暗号資産に対する規制強化を発表したことなどをきっかけに、ビットコインは高値の6万ドル台から一時3万ドル台まで価格を下げました。2017~2018 年のバブル期を彷彿とさせる暴落に、ビットコインをあわてて売り払ってしまった人もいるかと思います。また、これから暗号資産投資を検討する人では、「ビットコインはやっぱり投機的で危ない」とネガティブなイメージを強めた人もいるでしょう。とはいえ、投資には急な価格変動がつきものです。今回はビットコイン、ひいては投資商品の暴落に耐えるためのポイントについて説明します。
暗号資産(仮想通貨)投資に興味をもったらまずすべきこと
投資判断できる足腰を鍛えよう
こんにちは、マネックス証券 マネックス・ユニバーシティで暗号資産アナリストを務める松嶋(まつしま)です。この度、暗号資産(仮想通貨)投資に関する連載を始めることになりました。「仮想通貨、価格が上がっててすごいね!自分も投資に興味があるんだけど、何から始めればいいの?」「ビットコイン、最近すごくニュースで名前を聞くけど、何が起こってるの?」暗号資産アナリストという仕事柄、こういった相談を周囲から受ける機会が増えました。メディアでも「仮想通貨」や「ビットコイン」といった言葉を多く目にします。今、多くの方が暗号資産(仮想通貨)投資に興味をもち始めているのではないでしょうか。一方で、2018年に起きた大規模な国内取引所のハッキング事件等を受けて、国内では暗号資産(仮想通貨)に対するネガティブなイメージも根強いと思います。しかし、グローバルに目を向けると、昨年あたりから米国を中心に暗号資産(仮想通貨)に対する考え方が大きく変わりつつあります。本連載では、なぜ暗号資産(仮想通貨)が投資対象として改めて世界的に注目されているのか、投資をする上では何がポイントとなるのか等について、暗号資産(仮想通貨)