「ユーロ売りブーム」の正体と下落が広がっても投資家が動けなかった理由
成功体験の後に訪れた失敗
「売り」からも始められるのはFXの大きな特徴の一つです。ただ、本来的に不確実な相場予想に偏り、確実性の高い金利差を無視したことによる「失敗例」について、前回は紹介しました。今回は、低金利通貨のユーロの売りで「成功」と「失敗」の両方を経験したケースについて紹介したいと思います。
詳しいFX投資家ほど陥った「間違い予想」とは、ベテランが撤退を余儀なくされた失敗に学ぶ
「売り」もできるFXの特徴
「買い」からだけでなく、「売り」からも取引を始められるというのは、FXの大きな特徴と言えるでしょう。となると、上がると思ったら買えばいいし、逆に下がると思ったら売ればいいとなります。ただし、この「と思ったら」というのは「予想」であり、そんな相場予想がいつも当たるわけではないので、簡単なことではありません。今回は、私が良く知っているあるベテランのFX投資家の「失敗例」を紹介しながら、「失敗の理由」を考えてみたいと思います。
FXと他の投資との代表的な5つの「違い」とは
見方を変えれば「魅力」となる
私は、1998年のFX(外国為替証拠金取引)スタートから間もなく、為替専門家として個人投資家へレポートやセミナーで情報発信してきました。さらに、2011年には、大手FX会社の投資教育プロジェクトの責任者に就任し、お客様がどうしたらFXで資産を増やせるかを考えてきました。「円資産だけ保有するリスク」への懸念が着実に高まっている可能性のある時代において、本連載を通じ長年の経験の中で見てきたFXでの「失敗例」とその理由について、わかりやすくお伝えすることでFXも資産防衛の有効手段になれることを確認したいと思います。これは、私にとっての「FXへの恩返し」でもあります。改めて今回はほかの投資、とくに株式投資とFXの違い、ある意味では「魅力」とも言える点について確認してみたいと思います。
円一段安で乱降下する為替相場−−FXで「失敗」するには理由があります
なぜFXを選ぶのか?
初めまして、マネックス証券 チーフ・FXコンサルタントの吉田恒です。この度、FXに関する連載を始めることになりました。早速ですが皆さんは、FX取引にどのようなイメージを持たれているでしょうか。また、実際に取引されている方は、国内の投資、とくに株式投資ではなく、あえてFXを取引したいと考えた理由は何でしょうか?