「高額療養費制度」の3つの課題、がん患者362人の声から見えた経済的負担の実態
情報収集の重要性
「高額療養費を使っても、生活が立ちゆかなくなった」「子どもの教育費や住宅ローンの負担も重なり、医療費の支払いがきつい」こうした“生活を揺るがす声”が多数寄せられたのが、2025年2月に実施した「がん患者の経済的負担の実態調査」です。2025年3月には、高額療養費制度の自己負担引き上げ案が一旦見送りとなり、24日には「高額療養費制度と社会保障を考える議員連盟」が超党派で設立されました。今まさにこの制度をどう見直すべきかが、社会的なテーマになりつつあります。本記事では、362人の調査結果をもとに、今ある制度の課題と、これから私たちができることについて考えます。
がん治療の経済的な副作用「経済毒性」にある3つの誤解、金額面だけの問題ではない?
経済毒性を判断するツールとは
「がん治療の経済毒性」という言葉を聞いたことがありますか?日本では2018年から使われており、この5年で医療現場を中心に広まってきている言葉です。インパクトのある名称ということもあり、賛否両論の意見がありますが、がん患者さんが安心して治療を続けていくため大事なのは経済毒性という言葉が誤解の無いよう広まることです。そこで、今わかっているがん治療の経済毒性の基本とよくある3つの誤解について解説いたします。
40代の共働き夫婦「乳がんでお金がかかる、でも夫が話し合いに応じてくれない」
家計見直しに無関係に思える重要な事とは?
「乳がんになり、生活が厳しいので家計を見直したい」家計の悩みは対応策が見つかれば解決できそうと思われがちですが、がん患者さんの家計相談の場合、夫婦間の家計の方向性をすり合わせしながら進めていかないと、解決が遠のいてしまうことがあります。がん患者さん専門の家計相談を行う筆者が、夫婦で家計の見直しについて話し合うポイントを解説します。
がんの治療費や生活費で困らないために−−利用できる制度など対処法を看護師FPが解説
「お金」に悩む時期に2つの傾向
突然のがん。体や命の心配はもちろんのこと、「これから治療費は払えるのか?」「生活をどうしていったら良いか」と不安を感じている方も少なくありません。一日も早く治療費の悩みを減らし、治療に臨むための対処法を、看護師としてがん患者やその家族のケアに携わった経験を踏まえてお伝えします。