はじめに

除外された投資信託のパフォーマンスは?

では、9本の投資信託は除外に同意をするべき商品なのか、断固として反対すべき商品なのか、どうなのでしょうか? 楽天証券では、除外理由を「パフォーマンスが基準を下回ったため」と説明していますが、実際除外されない投資信託と比較してどの程度パフォーマンスが悪かったのでしょうか?

以下は楽天証券が設定する区分ごとに、除外対象となった商品と対象とならなかった商品の1年、3年、5年のリターンの比較表です。

今回除外対象となった投資信託はすべてアクティブファンドです。従って比較も楽天証券のiDeCoのラインナップより同じカテゴリーのアクティブファンドでしています。国内債券については、アクティブファンドがそもそも1本のみなので、比較参考はインデックスを使っています。バランスファンドについては楽天ではインデックス、アクティブという区分にしていないので上記のようになりました。

この楽天証券の評価を受け、セゾン投信だけは今回の「資産形成の達人ファンド」が除外対象となったことに異議を表明しています。アクティブファンドは、独自の運用方針がありますから、主張の通り必ずしも楽天証券の評価が妥当であるとは限らないのかも知れません。

また楽天証券のiDeCoのラインナップから除外されたからといって、このファンドが早期償還するとか、投資対象として魅力がないとはいえず、投資家と直接対話を重ねている運用会社からすると、楽天の除外通告は受け入れがたいところなのかも知れません。

対象商品に投資をしている方がやるべきこと

いずれにしろ、9本のファンドが除外されるかどうかの判断は投資家の評価によります。投資の継続を望む方は、必ず回答書にてその旨返事をしましょう。なにもしないと、除外を受け入れると判断されてしまいます。

このまま除外が決定されると、すでに購入した投資信託についてはご自身がスイッチングをしない限り運用はそのまま継続されます。しかし新規での買い付けはできなくなるので、楽天証券の定めた日程に従って配分変更を行う必要があります。手続きを怠ると、未指図資産となり不利益を被るのは加入者ご自身となります。

iDeCoの運用商品の入れ替えは、他の金融機関でも行われる可能性があります。iDeCoの加入者の皆さんは今回の件を他人事とは思わず情報収集を行っていただけると良いと思います。

除外が決定すると、楽天証券はiDeCoのラインナップに新しい運用商品を投入してくるかも知れません。今回の除外の動きが、投資家の資産形成を支える金融機関の働きとして機能することを願っています。

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