はじめに
これから増えるか? ファンドの併合
ファンドの併合とは、投資対象や運用方針、保有資産がほぼ同じとされる、異なる2本以上のファンドを1本にまとめることです。仮にファンドAとファンドBを併合して、ファンドBを存続ファンドにする場合、ファンドAは消滅します。
6月19日、野村アセットマネジメントが設定・運用している日本株アクティブファンドが併合されます。かつて「1兆円ファンド」と呼ばれた「ノムラ日本株戦略ファンド」と「ノムラ・ジャパン・オープン」が併合され、後者が存続ファンドになり、ファンド名も「野村国内株式アクティブオープン」に変更されます。
2025年4月末時点における、追加型株式投資信託の運用本数は、全体で5615本もあります。しかも、その大半が、純資産総額の規模が小さい「ゾンビファンド」などといわれています。こうしたゾンビファンドが、本当に受益者ファーストの運用が行われているのかどうか、いささか疑問に思われる点もあり、当局としてもファンドの併合を促したいところです。
ただ、現時点においてはまだそれほど積極的にファンドを併合する動きは見えてきません。実際に複数ファンドを併合するためには、事前に受益者の同意を得る必要があることなど、事務手続きが煩雑な面もあるからだと思われます。
ちなみに自分の保有ファンドが消滅ファンドになったとしても、ほぼ同じ投資対象、運用方針、保有資産のファンドとの併合になるので、それほど大きな影響は生じないと考えて良いでしょう。
投資信託会社の消滅
今後、増える可能性があるのは、投資信託会社そのものが消滅してしまうケースです。投資信託の運用に参入したものの、運用資金が集まらず、運用会社の経営そのものが立ち行かなくなるケースが、これに該当します。
2025年9月にはPayPayアセットマネジメントが、業績の見通しが立たないという理由で事業撤退します。その後処理としては、他の運用会社に運用を引き継いでもらうファンドがある一方で、繰上償還されるファンドもあり、受益者には少なからぬ悪影響が及びます。
従来の運用会社は金融機関系が中心だったため、メンツにかけても親会社が販売金融機関として資金を集め、命脈を保ってきた面はありますが、金融機関以外や独立系の運用会社の場合、運用資金が集まらずにビジネスモデルが維持できなくなる恐れがあります。運用会社の業績は、ホームページで確認できるので、運用資産規模が小さい運用会社のファンドを買う時は、せめて運用会社の業績をチェックするようにして下さい。
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