はじめに

金融庁は3月末時点のNISA(少額投資非課税制度)の利用状況を公表しました。NISAの累計買付額は59兆3056億円に達しました。政府は3年前に「資産所得倍増プラン」を取りまとめ、NISAを使った投資の額を2027年までに56兆円まで増やす目標を掲げていましたが、前倒しで達成しました。

このうち、2025年1~3月の買付額は6兆6032億円で、成長投資枠が4兆9916億円、つみたて投資枠が1兆6116億円となっています。口座数は2646万9325口座で、3カ月で86万5267口座の増加となっています。なお、口座数は政府目標の2027年までに3400万口座には届いていない状況です。


NISA口座の開設は20代が多い結果に

日本証券協会は、5月28日に「新 NISA 開始1年後の利用動向に関する調査」の結果を公表しました。2024年に新NISAで金融商品を購入した7610人(男性4528人、女性3082人)を対象としています。

新NISA利用者の個人年収分布について、年収「300万円未満」の者の割合が39.7%と最も高く、「300万 円~500万円未満」の者の割合が27.7%と続いており、平均年収は454.6万円でした。

年代別でみると2024年にNISA口座を開設した「20代以下」は24.0%と他の年代より高く、次いで50代の17.7%、30代の17.4%と続きます。「20代以下」は2023年の16.6%から大幅に上昇しました。新NISAを始めたきっかけとして、「SNS・インターネット等でNISAに関する情報を見て始めた」は男女ともに最も高い割合です。50代以上の層では、「新 NISAで制度が大幅に改善されたと知って」「税制上の優遇措置があると知って」「NISAを取り上げたテレビ番組を見て」の割合が多くなっています。

新NISAを始めた動機・目的(投資枠別)の調査では、つみたて投資枠を利用している方で最も高いのは「将来・老後の生活資金」の58.2%、 次いで「資産形成自体が目的」は41.9%、「将来の不測の事態への備え」の 26.4%と続きました。年代別でみると、若年層は「住宅の取得や結婚などのライフイベント費用の捻出」「耐久消費財やレジャー費用の捻出」の割合が高くなっています。個人年収別でみると、幅広い年収帯で「将来・老後の生活資金」の割合が高く、老後への不安を感じる方が多いことがわかります。老後への不安は、女性の方が男性より割合が高い結果となっています。

新NISAにおける購入資金は、「預金・給与所得・年金」が74.9%と圧倒的に高く、「配当金・利息から得た資金」「旧NISAの保有銘柄の売却資金」と続きます。

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