はじめに
リビング・ニーズ特約
リビング・ニーズ特約とは、医師より余命6ヵ月以内と診断されたとき、死亡保険金の一部または全部（一般的に上限は3000万円）を生前に受け取れる制度です。いわゆる死亡保険金の前払いができる特約です。
この特約を付けられる保険は、死亡保険金のある商品です。特約保険料は無料です。しかも「身体の傷害に基因して支払われる」保険金に該当するので、非課税です。保険会社によっては、自動的に付加される商品もあります。契約時にリビング・ニーズ特約を付加していなくても、途中から付加することもできます。
リビング・ニーズ特約では、受け取った保険金の使い道は自由です。たとえば、がんなどの病気で余命6ヵ月と診断された場合、死亡保険金を生前に受け取って、治療に使う方法もあります。また、生前に思い残すことのないように、家族との旅行に使って思い出づくりをする方法もあります。たとえば、死亡保険金2000万円の場合、1000万円をリビング・ニーズ特約で生前に受け取って、残りの1000万円を残して死亡保険金にすることもできます。余命6ヵ月以内が条件になっていますが、余命期間を過ぎたからといって返還する必要はありません。
注意点としては、リビング・ニーズ特約で受け取った保険金は非課税扱いになると述べましたが、使い切れなくて残った場合には、相続財産になり相続税の対象になります。もちろん、このリビング・ニーズ特約を付加したからといって、必ずしも使わなくてはいけないわけではありません。死亡保険金として、そのままにしておくこともできます。被保険者の判断で選ぶことができるのです。
「指定代理人請求特約」「リビング・ニーズ特約」は、保険料が無料なので、入っておいて損をすることはありません。まずは入っておくことをおすすめします。使うかどうかは、その時に判断すればいいことです。
