はじめに

2025年に入り、驚くことがたくさんあります。

サンリオ(8136)が6月2日に全市場で売買代金トップとなりました。同社は、キャラクターグッズやグリーティングカードなどのソーシャルコミュニケーションギフト商品を企画・販売する日本の企業です。代表的なキャラクターは、1974年に誕生したハローキティです。2025年5月、株価指数算出大手の米MSCIが全世界株指数「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」にサンリオの採用を決めたことが、売買代金が増加する要因となりました。


決算好調なサンリオ

2020年7月、創業者の辻信太郎現名誉会長の孫である辻朋邦氏がサンリオの社長に就任しました。就任翌年に流行したコロナウイルスの影響で物販店舗や屋内型テーマパーク「サンリオピューロランド」が臨時休業を余儀なくされたことで、2021年3月期には26年ぶりの営業赤字に陥りました。しかし、事業構造改革を進めたことにより、5月に公表した2025年3月期の連結決算では、売上高は前年同期比44.9%増の1449億円、営業利益が92.2%増の518億円、純利益が137.7%増の417億円で、営業利益は2期連続で過去最高を更新しました。あわせて発表された2026年3月期の連結業績予想は、売上高1622億円(前期比11.9%増)、営業利益600億円(同15.8%増)、純利益42億円(同0.6%増)を見込んでいます。

IHI(7013)

同じく「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に採用されたIHI(7013)は、6月4日に上場来高値を更新しました。江東区豊洲に本社を置く、重工業を主体とする日本の大手製造会社です。三菱重工業・川崎重工業と共に三大重工業の一角です。同社は1989年12月に16,000円の株価をつけました。1980年代後半から1990年代前半のバブル経済において、東京湾岸のウォーターフロントへの開発が進むと、そこに土地を保有する企業の株価が高騰しました。しかし、船舶用ディーゼルエンジンを製造する子会社、IHI原動機がエンジンの試運転時の燃費データを改ざんしたことなどが影響し、2024年には株価が低迷する場面もありました。

しかし、25年3月期の連結最終損益は1127億円の黒字、26年3月期の同利益は前期比6.4%増の1200億円に伸びを見込み、2期連続で過去最高益を更新する見通しが好感されています。航空エンジンの補修部品や防衛装備品がけん引すると説明しています。

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