はじめに

固定5年の個人向け国債がおすすめの人は?

5年間お金を預けて、約3万3000円の利子がもらえるといえば、お得だと思われる方も多いでしょう。実際、大手銀行の普通預金金利は年0.2%(2025年5月時点)です。満期が5年の定期預金は銀行により金利に違いがありますが、年0.83 %よりも高金利の定期預金は少ないでしょう(あくまで、2025年5月時点の話です)。

固定5年の個人向け国債が向いている人は、次のような人です。

固定5年の個人向け国債が向いている人
・5年後に使う予定のお金を安全に増やしたい人
・運用資金が1,000万円を超える人
・少しでも高い金利で運用したい人
・利子を生活の楽しみのために使いたい人

個人向け国債は、定期預金よりも金利が高い商品です。少しでも高い金利で運用したい人に向いています。特に、「住居購入の頭金」「車の購入費用」など、5年後に使うことが決まっているお金があるのであれば、固定5年を利用することで、お金を減らすことなく堅実に貯めることができるでしょう。

定期預金では元本が1,000万円を超える部分は預金保護制度の対象外ですが、個人向け国債ならば全額元本保証されていますので、運用資金が1,000万円を超える場合は個人向け国債を利用するのがよいでしょう。

ただ、固定5年は固定金利ですから、今後金利(国が定める政策金利)がさらに上昇したとしても、固定5年の金利は変わりません。政策金利が上昇すれば、国債の金利も上昇すると考えられますが、固定5年を保有している間は、その上昇の恩恵は受けられません。

逆に政策金利が下落したとしても固定5年の金利は変わらないのですが、現状では日銀は政策金利を引き上げたいと考えているようです。日米の関税の問題や、トランプ大統領のリスクなどもあるので、一筋縄ではいかないかもしれませんが、今後も政策金利が上昇する可能性があるでしょう。もし、政策金利が上昇したとなれば、既存の固定5年の個人向け国債は、少々もったいないお金の預け先になってしまう、といえます。

今後の政策金利上昇に合わせてお金を増やしたいならば、個人向け国債の「変動10年」のほうがおすすめです。変動10年は半年ごとに金利が見直されるため、今後の政策金利上昇に合わせてお金を増やしていくことができます。政策金利が下がった場合には変動10年の金利も下がってしまいますが、最低0.05%は保証されています。

さらに、「子どもの大学資金」「老後の生活資金」など、10年以上使う予定のない将来のためのお金を貯めたいのであれば、個人向け国債よりもNISAやiDeCoなど、税制優遇の恩恵を受けながらお金を増やせる制度を活用するのがおすすめ。投資には元本保証がありませんが、長期・積立・分散投資を心がけることでリスクを抑えながら堅実に増やすことができるでしょう。

近年、政策金利が上昇したことをうけて個人向け国債の魅力がアップしているのは事実ですが、何でもかんでも個人向け国債がいい、というわけではありません。お金の使い道に合わせて、お金の預け先を決めるのがおすすめです。

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