はじめに
2025年上半期、米国では関税政策やAI企業の好決算を背景に、主要株価指数が最高値を更新。日経平均株価も一旦下落したものの4万円の大台を回復してきている状況です。そんななか株価が2倍以上に急騰した“ダブルバガー銘柄”が次々と登場。急騰の背景を読み解けば、今後の相場を動かす成長テーマや投資アイデアが見えてきます。上半期の相場総括とともに注目銘柄の共通点を探ります。
2025年上半期の相場概況と主なトピック
2025年上半期の相場が一区切りを迎えました。今回は2025年上半期の相場を簡単にまとめるとともに、株価が2倍以上に上昇した「ダブルバガー」銘柄を取り上げていきます。
米国市場:関税ショックからのV字回復
2025年上半期、米国市場は大きな変動を経験しました。特に4月初旬、トランプ大統領が発表した大規模な関税政策「解放の日」関税により、米株式市場は一時的に急落。しかし、その後の関税一部停止や米中貿易交渉の進展、AI関連企業の好調な業績などにより、市場は回復基調に転じ、6月末にはS&P500指数とナスダックが過去最高値を更新しました。
FRBの政策とインフレ鈍化の影響
連邦準備制度理事会(FRB)は、6月のFOMCで政策金利を4.25%〜4.5%に据え置きました。これで4会合連続で据え置きとなります。インフレ鈍化や経済指標の弱さから、市場では年内の利下げを織り込む動きも広がっています。
日本株:中小型株が好調
日本市場では東証グロース市場やスタンダード市場が相対的に堅調な動きを見せましたが、日銀が「無理に利上げせず」と利上げを諦めたような状況となったことで、下半期はまた大型バリュー株優位の相場に戻るようなイメージを持っています。今後の展望としては、FRBの利下げのタイミングや、トランプ政権の政策動向、企業業績の動向などが注目されます。