はじめに

東証は7月4日に2024年度株式分布状況調査の結果を公表しました。個人株主数は前年度比914万人増の8359万人(延べ人数)と、11年連続で増加し、10年連続で過去最高を記録しました。増減要因を見ると、上場廃止会社の影響で80万人減少する一方、株式分割実施会社で267万人増加、新規上場会社で107万人増加、その他の会社で619万人増加しています。

2024年度末(2025年3月末)の全投資部門における株式保有金額(調査対象会社4022社の時価総額)は、前年度比59兆9994億円減少(-6.0%)の 948兆471億円でした。主な投資部門の動向を見ると、事業法人等が16兆8504億円減少、外国法人等が13兆7045億円減少、信託銀行が10兆7574億円減少しています。


個人株主が保有比率を増やした業種は?

主体別の株式保有比率と、年間の保有比率の増減をお伝えします。

外国法人等の株式保有比率は、前年度比プラス0.6ポイントの32.4%となり、これまでの最高だった2023年度の31.8%を上回り過去最高を更新しました。外国法人等の業種別保有比率等の状況から保有比率が増加した業種は銀行(3.2%)繊維製品(2.9%)その他製品(2.7%)サービス業(2.3%)医薬品(1.6%)となっています。一方で、減少した業種は、海運(-3.1%)石油・石炭(-2.5%)電気・ガス(-1.8%)バルブ・紙(-1.8%)金属製品(-1.2%)でした。

個人・その他の株式保有比率は 、前年度比プラス0.4ポイントの17.3%です。個人・その他の業種別保有比率等の状況から保有比率を増加させた業種は海運(5%)鉱業(3.7%)バルブ・紙(2.6%)非鉄金属(2,3%)不動産(1.8%)となっています。一方で、石油・石炭(-1.8%)情報・通信(-1.4%)証券・商品先物(-1.2%)その他製品(-1%)空運業(-0.6%)でした。

信託銀行の株式保有比率は、前年度比プラス0.3ポイントの22.4%です。信託銀行の業種別保有比率等の状況から保有比率を増加した業種は、繊維製品(1.5%)銀行業(1.1%)サービス業(1.1%)その他製品(0.9%)鉄鋼(0.7%)となっています。一方で、減少した業種は、非鉄金属(-3.6)バルブ・紙(-2.4%)石油・石炭(-2.2%)ゴム製品(-0.8%)化学(-0.7%)です。

事業法人等の株式保有比率は前年度比マイナス0.6ポイントの18.7%となり、調査開始以来、過去最低でした。 これまでの最低は、2023年度の19.3%で、政策保有の売却が進んだことがわかります。一方で、事業法人等の投資部門別売買状況を見ると、年度合計で10兆2051億円の買越しとなり、2004年度以来21年連続の買越しとなっています。今年度においても自己株式取得が継続して行われていた状況がわかります。

主要投資部門別株式保有比率の推移から外国法人等の割合が右肩上がりに推移する一方で、都銀・地銀等、生損保の割合が右肩下がりとなっています。

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