はじめに

2025年第1四半期(1-3月)の資金循環統計が発表されました。俗に「個人金融資産」と称される、資金循環統計の「家計の金融資産・負債残高」における金融資産残高合計は、2194兆6516億円でした。その中身を検証します。


現金の保有額は減少に

前期、つまり2024年第4四半期(10-12月)の、家計の金融資産残高合計は2236兆4716億円でしたから、2025年第1四半期のそれは1.86%の減少となりました。

過去における家計の金融資産残高合計は、期によって増減しているので、毎期の推移は多少なりとも増減を繰り返します。ただ、傾向を捉えるために前年同期比で見ると、2024年第1四半期(1-3月)のそれは2187兆1181億円でしたから、0.34%の微増となりました。

「資金循環統計」とは、日本の家計や政府、金融機関以外の事業法人といった経済主体別に、どれだけの金融取引が行われ、その結果として、どれだけの資産・負債の残高があるのかを把握するための数字です。前出の家計の金融資産残高合計は、個人が保有している金融資産の総合計を示すもので、四半期ベースで公表されています。

2025年第1四半期における、各金融資産の残高は以下のようになります。

現金・預金・・・・・・1119兆5549億円(0.06%増)
債務証券・・・・・・31兆5113億円(8.37%増)
株式等・・・・・・268兆3752億円(3.89%減)
投資信託受益証券・・・・・・130兆7104億円(8.82%増)
保険・年金・定額保険・・・・・・570兆6952億円(0.46%増)

前年同期比で見て目立つのは、債務証券つまり債券と投資信託受益証券の残高が8%台で増加したことです。

また現金・預金の中身について、項目別で前年同月比を見ると、

現金・・・・・・102兆3590億円(2.88%減)
流動性預金・・・・・・660兆9919億円(1.50%増)
定期性預金・・・・・・348兆8580億円(1.82%減)
外貨預金・・・・・・7兆3191億円(6.96%増)

やはりインフレ率が上昇しているせいか、現金で保有する傾向が徐々に後退しています。また、インフレ率の上昇と共に、利上げ期待も高まっているせいか、定期性預金の残高が減少する一方、流動性預金の残高は増加しました。

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