はじめに

判断を誤らないための3ステップ

制度を知ったうえで、自分の数字で検証し、家族と共有したうえで選ぶための3ステップをお伝えしていきます。

ステップ1:老後のライフプランを具体的に描く

まず、漠然とした老後のイメージを具体化しましょう。

  • いつまで、どのように働きたいか?
  • リタイア後の生活費はいくら必要か?
  • どんな趣味や活動にお金を使いたいか?
  • 住まいに関する計画は?(持ち家、賃貸、住み替えなど)
  • 介護や医療に対する備えは?

これらの問いに具体的に答えることで、必要となる資金をある程度把握できます。

ステップ2:現在の資産状況と将来の収入見込みを把握する

次に、現状と未来の収入・支出を把握しましょう。

  • 貯蓄額、退職金の見込み額、保有している金融資産は?
  • 65歳以降も働く場合の収入見込みは?
  • 年金の受給見込み額は?(「ねんきん定期便」で確認できます)
  • 毎月の支出はどれくらいか?

これらを把握することで、年金を繰り下げた場合の「空白期間」を乗り越えられるかどうかの判断材料になります。

ステップ3:様々なシミュレーションを行う

これらの情報を基に、具体的なシミュレーションを行いましょう。

  • 65歳から受給した場合
  • 70歳まで繰り下げた場合
  • 75歳まで繰り下げた場合

それぞれのケースで、生涯受け取れる年金の総額や、年金生活が始まってからのキャッシュフローを計算してみましょう。厚生労働省のウェブサイトなどでも公的年金のシミュレーションツールが提供されていますので、ぜひ活用してみてください。必要であればライフプランの詳細なシミュレーションソフトを持っている専門家に依頼し、知恵を借りるのも方法の一つです。

年金の繰り下げ受給は、年金額を増やす強力な手段ですが、みんなが得する万能策ではありません。あなたの健康状態、経済状況、そして何よりも「老後にどのような生活を送りたいか」というライフプランによって、最適な選択は大きく異なります。

「まだ大丈夫、まだ先の話」と思いがちですが、40代、50代は老後のマネープランを真剣に考える絶好の機会です。情報収集をしっかり行い、様々な可能性をシミュレーションしながら、あなたにとってのベストな年金受給計画を立てていきましょう。それが、不安の少ない、豊かなセカンドライフを送るための第一歩となるはずです。

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