はじめに
ETFで欧州に投資するなら? GRANOLAS関連の選択肢
個別株投資でGRANOLAS企業の多くは米国市場にもADR(米国預託証券)として上場されており、楽天証券やSBI証券、マネックス証券など主要ネット証券からも購入が可能です。
一方、ETFを活用して広くヨーロッパに分散投資する場合、いくつか候補があります(以下、データは7月30日現在)。
ヨーロッパ全体への分散投資ETF
【IEV】iShares Europe ETF
……欧州主要企業を網羅、S&Pヨーロッパ350指数に連動する投資成果を目指す。63ドルと少額から投資可能。上位組み入れ銘柄を見ると、こちらが1番グラノラスへの投資に近い印象。経費率:0.6%、直近配当利回り(税込) 3.56%
医薬品セクターを中心としたETF
【PPH】VanEck Pharmaceutical ETF
……医薬品セクターに特化し医薬品分野の米国上場企業株式銘柄で構成されるため欧米混合のイメージ。86ドル程度から投資が可能。経費率:0.36%、直近配当利回り:2.81%
※7月31日にトランプ米大統領はイーライリリーなど世界的な製薬大手17社に対し、メディケイド(低所得者向け米公的医療保険)対象の薬品の価格を60日以内に海外の最低価格と同水準に引き下げるよう書簡で要求したと報じられており、直近では注意が必要です
国内公募ファンドで欧州株に投資
SBI欧州高配当株式(分配)ファンド
年率配当利回り(直近決算日2025年6月20日):5.39%
信託報酬:0.099%(税込)という超低コストが魅力
……ただし、全体として構成銘柄はGRANOLASとは異なる点に注意。
GRANOLASのみという商品は見つけられなかったので、今後マグニフィセント・セブンのようにGRANOLASのファンドが出ないかなと注目しています。
GRANOLAS投資に潜むリスクと留意点
当然ながら、ヨーロッパ株式投資にもリスクはあります。ウクライナ情勢や中東との関係などの地政学リスク、ユーロ・ポンドの対円変動という為替リスク、医薬品業界における規制強化や特許切れ問題といった規制のリスクが考えられます。
また、米国のようなイノベーション主導型成長とは異なるため、短期での爆発的な上昇は期待しにくく、成長性の限界というリスクも考えておいた方が良いかもしれません。
そのためGRANOLASへの投資は、米国株中心の資産に分散を加えたい方や、景気後退局面でも耐性のある企業に投資したい方、配当収入を重視した長期保有型投資を考える方、ESGやサステナビリティを意識した運用を行いたい方、医薬・食品といった「生活の必需品」に着目したい方にとっては、検討に値するのではないでしょうか。この記事が少しでも皆様の参考になれば幸いです。
投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward HOME]