はじめに
バザーの裏側にある「お金の流れ」
表から見えるのは商品とお客さんのやり取りですが、実はバザーの舞台裏には“お金の流れ”があります。原価や材料費、準備にかかった時間を考えて値付けをし、その利益が学校の図書購入や地域活動の運営費に使われる。こうしてお金は、誰かの手から別の誰かへと渡り、社会の中を循環していきます。
長女が小学生の頃、自分の手作りレジンが売れたとき、「100円で売ったけど、材料費が50円だから50円が利益なんだ」と計算していました。そのとき「準備にかかった時間も、実は大事なコストなんだよ」と話すと、「じゃあもっと早く作れる方法を考えようかな」と工夫する姿も。
お金は単に入ってきて終わりではなく、時間や労力といった“見えないコスト”も含めて回っていくもの。こうした流れを知ることは、将来の収入と支出のバランス感覚や、働くことの価値を理解する第一歩になります。
家庭でできる「バザーのふりかえりトーク」
イベント後には、親子で振り返りの時間を持つのがおすすめです。
・売れた物と売れなかった物の違いはなんだろう?
・どうすればもっと売れたかな?
我が家の子どもたちは「もっと大きな声で呼び込みしたらよかった」と反省し、次回は友達と声を掛け合って販売。その結果、前年より売上が倍に。小さな気づきと工夫の積み重ねが、子どもの自信になっていきます。
さらに、
・売上はいくら残った?
・買った物は今もよく使っている?
などの質問も効果的。
中には「安いから買ったけど、家に帰ったら全然使わなかった」という経験をすることもあります。ただし、そこに気付けるかどうかは親次第。おススメは“1ヶ月後”に自分にとっていい買い物だったかどうか、一緒に話す習慣を作ること。
そこで無駄遣いだったと気付き、次回は同じようなものを買わない選択ができることが大きな成長に繋がります。限られた予算の中で選択と優先順位づけをする習慣は、将来の家計管理の土台になります。
バザーは、子どもにとって“経済”の原体験になる
お給料が銀行に振り込まれるのが当たり前の今、子どもが「お金を稼ぐ瞬間」を実感する機会は少なくなっています。だからこそ、バザーは安心できる環境でお金を使い、稼ぎ、考える体験ができる、貴重な場です。
机上で学ぶ経済の仕組みとは違い、自分の手でお金を動かし、その裏にある“見えない価値”まで感じ取るからこそ、感覚として身につくのです。こうした原体験は、大人になってからの金銭トラブル回避や、時間の使い方の上手さにもつながります。
バザーは、単なるお楽しみイベントではなく、子どもの金銭感覚・価値判断力・計画性を育てる“経済の原体験”です。この秋、バザーをきっかけに、机上では学べないリアルな「お金の授業」を、ぜひ親子で楽しんでみてください。
「私、同年代より貯蓄が上手にできていないかも…」お金の悩みを無料でFPに相談しませんか?[by MoneyForward HOME]