はじめに

アクティブファンドが不人気な本当の理由

ただ、運用成績だけが、アクティブファンドの不人気の原因ではないと思います。問題は「わかりにくさ」でしょう。

インデックスファンドは、運用成績が連動目標としている指数とほぼ同じになります。S&P500への連動を目指すインデックスファンドなら、その運用成績はS&P500とほぼ同じです。

ところがアクティブファンドは、特定のインデックスをベンチマークにして、それを上回るリターンを目指します。ただし、運用成績がベンチマークを上回れるかどうかは、運用会社の運用力次第です。

したがって、アクティブファンドを選ぶためには、過去の運用成績はもちろんのこと、運用哲学やトレーディング力、運用者の実績、資金の純流出入など、さまざまな情報をチェックして、良い成績が今後も実現できるのかどうかを判断しなければなりません。

しかし、その判断に必要な情報が、ほとんど出ていないのが現状です。運用会社によっては過去の基準価額データをすべて公開しているところもありますが、すべての運用会社がそうだとは限りませんし、ベンチマークと対比させたくても、肝心のベンチマークのデータが、そもそも公開されていません。

個人がアクティブファンドを選ぶにあたっては、「その運用会社が好きだから」とか、「運用会社の社長がメディアに出ていて有名だから」といった程度の、ほとんど当てにならない情報で選ぶしかないのが現状なのです。

これでは、まともな感覚を持った投資家はアクティブファンドを買うことができないでしょう。アクティブファンドの投資情報の整備が行われない限り、NISAでアクティブファンドが積極的に選ばれる日は来ないと思われます。

新NISA、自分に合った投資金額をお手軽に診断!マネーフォワードMEプレミアムサービス[by MoneyForward HOME]

この記事の感想を教えてください。