はじめに
米国テック大手の最新決算を総覧
米国の主要テクノロジー企業が発表した最新の決算は、いずれもAIやクラウドを中心に事業の成長力を示す内容となりました。
アルファベット
アルファベットの4〜6月期売上高は、964億ドルと前年同期比14%増となりました。検索やYouTube広告、サブスクリプションに加え、Google CloudがAIインフラ需要を背景に30%超の成長を達成し、全体を押し上げています。これを受け、同社は通期の設備投資計画を従来比100億ドル引き上げ、850億ドルへ上方修正。スンダー・ピチャイCEOは「AI対応インフラへの継続投資は不可欠」と強調しました。
アップル
アップルの第3四半期(4〜6月期)売上高は940億ドルで前年同期比10%増、純利益も過去最高を更新しました。iPhoneとサービス事業が二桁成長をけん引し、日本市場も14%増と堅調。一方でiPadやウェアラブルは減収でしたが、Apple Intelligenceの発表が追い風となりました。ティム・クックCEOは「全地域で拡大が確認できた」と述べ、自信を示しました。
メタ
メタは9四半期連続で増収増益を達成しました。売上高は22%増、純利益は36%増と大幅な伸びを確保。広告事業を中心にAIによる広告効率化の成果が顕著に現れています。日次で34億人超が同社アプリを利用するなど高いエンゲージメントを維持。さらに生成AIや自己改善型AIシステムの開発に注力しており、将来の事業基盤強化に向けた取り組みを加速させています。
アマゾン
アマゾンの第2四半期売上高は1,677億ドルで、前年同期比13%増(為替影響除き12%増)と堅調でした。利益も市場予想を上回りましたが、7〜9月期の営業利益見通しは控えめで予想を下回っています。AWSとデジタル広告が成長をけん引する一方、ジャシーCEOはAI関連に1,000億ドル規模の投資を掲げつつ、コスト環境への警戒感を示し、先行投資と収益性のバランスが課題となっています。
マイクロソフト
マイクロソフトの売上高は764億ドル(前年同期比18%増)、純利益は24%増と力強い決算となりました。特にAzureを中心とするクラウド部門が好調で、生成AI需要を取り込んだ成長が目立ちます。オープンAIとの連携によってAI事業とクラウド事業を一体的に拡大し、時価総額は4兆ドルを突破。エヌビディアに次ぐ巨大IT企業としての存在感を示しました。
テスラ
テスラの第2四半期売上高は225億ドルで前年同期比12%減、利益も大幅に減少しました。欧米市場での不買運動や競争激化が逆風となったためです。ただし6月には米オースティンでロボタクシーの商用サービスを開始し、年後半からは低価格帯の新型EVを量産予定。EVメーカーからモビリティ全般とAI・ロボティクスを含む総合企業へと転換を図っていますが、イーロン・マスクCEOの発言リスクは引き続き注視が必要です。
エヌビディア
冒頭で述べた通り、エヌビディアは売上高・純利益ともに過去最高を更新しました。第2四半期(5〜7月)の売上高は467億ドル(前年同期比56%増)、純利益は264億ドル(同59%増)となりました。
米中対立で中国向け製品の先行きに不透明感はあるものの、生成AI開発に伴う半導体需要の高まりからデータセンター向けが好調です。ただし同部門はアナリスト予想を下回り、発表後の時間外取引では株価が下落しました。一方、第3四半期(8〜10月)の売上高見通しは市場予想を上回り、成長の持続性が期待されています。
「FANGプラス」を組み入れる際のリスク調整
「FANGプラス」をはじめとする大型テック株群の動向は今後も米国市場はもちろん、世界経済全体に大きな影響を及ぼし続けるとみられます。
とはいえ、成長期待の大きな銘柄群に資産を集中させることにはリスクがあります。指数構成比の上昇により、市場全体が少数銘柄の値動きに左右されやすくなり、ポートフォリオの耐性が弱ければ大きな下振れを被る可能性も指摘されています。
そのため「FANGプラス」を組み入れる際には、他セクターや資産クラス(債券、不動産、コモディティなど)との分散を図り、過度な偏りを回避することが不可欠です。ポートフォリオの中核に据えつつも、リスク調整を意識する姿勢が求められます。
「FANGプラス」銘柄群は、指数の中核としての構造的な優位性、AIインフラへの巨額投資による競争障壁、地政学・関税リスクへの耐性、金融環境に裏付けられた成長持続性など、多くの強みを備えています。長期的なリターン実績でも他の主要指数を上回っており、投資判断の裏付けとなります。
ただし、重要なのはこれらを無条件に追随することではありません。成長の質やマクロ環境を理解した上で、ポートフォリオの中核戦略として取り入れることです。集中リスクへの配慮と資産全体のバランス設計を両立させることが、健全な投資行動の鍵となるでしょう。
この記事が皆様の投資の参考になれば幸いです。
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