はじめに

「やりたいこと先取り予算」の作り方

では、具体的に「やりたいこと先取り予算」を立てる4つのステップを見ていきましょう。

ステップ1:叶えたいこと・行きたい場所を具体的に決める
まずは、今年本当にやりたいこと、行きたい場所を自由にリストアップしてみましょう。「家族でディズニーランドへ行く」「北海道旅行に行きたい」「スキルアップのために講座を受ける」など、どんなことでも構いません。「いつ」「誰と」「どんな風に」を具体的にイメージするのがポイントです。

ステップ2:必要予算をざっくりと計算する
やりたいことが決まったら、それにかかる費用を試算します。旅行であれば、旅行予約サイトや比較サイトを使って、航空券や宿泊費の相場を調べます。時期によって価格は大きく変動するため、具体的な日程を想定しましょう。食費やお土産代、アクティビティ費用なども少し多めに見積もっておくと安心です。

ステップ3:年間予算に組み込む
年間の手取り収入から、ステップ2で計算した「やりたいこと予算」を差し引きます。

次に、年間の「先取り貯蓄」と「特別支出」を差し引きます。残った金額が、1年間で生活に使えるお金です。

年間の収入(手取り額)-やりたいこと先取り予算-先取り貯蓄-特別支出=年間の生活費

これを12ヶ月で割ると月々の生活費の予算がでます。この金額で生活するのが厳しいと感じた場合は、やりたいことの規模を調整する必要があるかもしれません。あるいは、通信費や保険料といった固定費の削減ができないか検討するなど、家計を見直す良い機会にもなります。

とはいえ、毎年必ず収入の範囲内に抑えないといけないわけではありません。今しかできないことや、適したタイミングを逃さないように、貯蓄を活用するのも手です。

ただし、毎年のように支出が年間収入をオーバーする、生活防衛費まで手を付けてしまうようでは、計画的とはいえません。ライフプランに影響を及ぼさない範囲で資産を活用し、やりたいことを実現していきましょう。あらかじめライフプランを作成しておくことで、長期的な資金計画が立てやすくなります。

可能であれば、「年間収入」「やりたいこと先取り予算」「貯蓄目標額」「年間の生活費予算」をシンプルな表でいいので書き出してみましょう。エクセルやスプレッドシート、あるいはノートなどを活用しても構いませんし、筆者自身は家計簿アプリで把握をしています。このように、年間の大きな流れを可視化することで、月々の生活費に使える上限額が明確になります。

ステップ4:家族と共有する
自分一人だけで考えずに、ぜひ家族やパートナーと計画を共有しましょう。「次の夏休みに沖縄に行くために、今からみんなで少しずつ準備をしよう!」と家族全員が同じ目標を持つことで、節約や家計管理が「我慢」ではなく、楽しい目的のための「手段」に変わるはずです。

この方法は旅行だけでなく、趣味・学び・家族イベントなど、幅広く応用可能です。

「守り」だけが家計管理じゃない

家計管理というと、どうしても節約や貯蓄といった支出を切り詰める「守り」をイメージしがちですが、目的はそれだけではありません。

お金は私たちの人生を豊かにするための「ツール」であり、最終的に使うためのものです。「やりたいことのために計画的に使える状態をつくる」ことも、立派な家計管理の目的です。

次の旅行や趣味の計画をたてるときは、ぜひこの「やりたいこと先取り予算」を試してみてください。「お金が貯まったら」と待つのではなく、叶えたい未来から逆算して、今の行動を決めることで、あなたの夢の実現に一歩近づくはずです!

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